天使の初恋 日常 新学期から1ヶ月が経った5月のある日。 <生徒会室> 一般の学校にはあり得ない豪華な椅子に机が並び、 シャンデリアが一際目立つ生徒会室 カチカチという時計の音に カタカタとパソコンを打つ音、そして机をトントンと指で打ち付ける音だけが聞こえてくる・・・ 「あぁー!!会長達はどこに行ったんですかっっ!!」 透き通るように美しい白い肌、スカイブルーの瞳に金色に輝く髪を腰まで伸ばし、それを左耳の近くで一纏めにした一見、美少女のように見える生徒会副会長の藤乃院麗(ブシノインレイ)はイライラしていた。 「麗ちゃん!!会長達ならセフレの所じゃないのー」 最後を伸ばす癖のある書記の堤流華(ツツミルカ)が言う。 流華は見た目は女の子のように可愛いが、誰よりも腹黒い麗の親友である。 「そうですよ。またサボりですね」 「・・・・うん」 と立て続けて1年補佐の二人が答えた。 敬語口調なのが森口和樹(モリグチカズキ)。メガネをかけた美青年で、1年首席であり生徒会のブレーン的存在であるが、実は鬼畜だという噂がある。 もう一人の補佐は村上隼人(ムラカミハヤト)。無口無表情でマイペースな性格だ。 「はーウチの会長と会計はどうにかならないですかね。」 「ムリだと思うよー」 「無理だと思います。」 「・・・・むり・・」 と麗に三人同時に答えた。 「もうっ!!!探して来ます!!」 ドアをバタンと開けて麗はイライラしながら生徒会室を後にした。 「「「行ってらっしゃーい」」」 他の三人の声は麗には届いてないだろう。 これが・・ 生徒会の日常である。 [*前へ][次へ#] [戻る] |