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 「大体ねぇお前、それ二週間も前の話  じゃん。未だに進展ないとかどうなの  よ?」

 さっきまでサッカー部に混じって試合  をしていた城野は、耳の裏を掻きなが  ら短い眉を上げた。

 「でもさ、先輩っていつも居ないんだ  よね。俺も保健室見に言ったのに」

 みっちゃんが大きな目をくりくりさせ  ながら不満げに言う。

 俺は先輩に会ったことをみっちゃんに  話して、何度か一緒に保健室を見に行  ったことがある。

 さすがに三年の教室までは行く勇気が  なかったけど、保健室では二度と先輩  を見ることはなかった。

 でも長谷に聞くと来てるって言うんだ  よな。どうやら保健室にサボりに来て  るらしい。

 俺たちと時間が合わないのかな。

 「じゃあ上原先輩に頼めばいくね?」

 そう言うのは城野。

 上原先輩は陸上部の三年で、この人か  ら保健室の先輩のことを知った。

 カンザキ アマネ。名前まで綺麗だ。 

 「あの人、保健室の人と同じクラスな  んだろ?」

 そう提案する城野に俺は首を振った。 

 「やだよ!保健室で一回見ただけでク  ラスまで行くとかストーカーみたいじ  ゃん!」
 「一回見ただけで毎日のように話して  る時点で十分ストーカー紛いだろ」

 城野は酷いことを言う。

 みっちゃんに泣きつくと頭を撫でてく  れた。

 この二人が縁者とか信じられない。

 「もう面倒くせぇな、桔平クンは。俺  のクラスの大先輩紹介してやろうか?  」

 城野は頭を掻きながら心底面倒臭そう  に言った。

 俺のクラスの大先輩?

 「大先輩って?ダブり?」

 みっちゃんが聞くと、城野はみっちゃ  んの頭を撫でながら答える。

 「違ぇよみっちゃん。ホモの道の先輩  だ。うだうだしてる桔平にアドバイス  くれるかもよ」

 ホモの道の…大先輩…
 限りなく嫌な響きなんですが。

 「うちのクラスに居るんだよね、年上  の彼氏持ちの奴が。話聞けるよ」

 どうする?と城野が聞いてくる。

 「それは…あの、兄貴系ですか?」

 ガチムチ?ウホッ?
 そんなタイプとはあまり会いたくない  んだけどな。

 すると城野はニヤリと笑った。

 「可愛いよ、顔は」
 「会わせてください」

 城野の目から見て可愛いなら確実だ。

 隣でみっちゃんがサイテーとでも言い  たげな顔をしていた。

 下心ありありなのがバレたのだろうか  。



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