俺様☆みらくる! 捕らわれた若草 『何をしているんだ?ここは、僕の領域だ!出て行け!!』 凪ぎ払うために僕は捕らえようとする者達へ殴りかかった。 こんな真似までするなんて、信じられない。 絶対に連れていかせるものか! 「威勢がいいのは相変わらずだな?唯。いや、紫乃か?」 『…!お前は、確か。あの人の側近の油川!』 「ふん、油川さまだろう?」 背後から現れた油川は偉ぶり、僕を蔑んだ目で見てきた。 そう、こいつが幹部の一人。 表では豪腕な代表取締役だが、実際は裏金まみれの金の亡者。 まさか、こいつから会いに来るとは思わなかった。 こいつは、確かに会社では堂々としているが器が小さい男だ。 表だった行動はしないとばかり踏んでいた。 『………ずいぶん変わりましたね、貴方は。さらに金の亡者にでもなったのか』 罵るけれど打開策が浮かばない。 時間を延ばしたところで誰かが来るわけもない。 どうする? どう助ければいい? 「何をしようとも無駄なこと。さぁ寝てもらおうか?」 『?!っ』 「!ゆい!?止めろ!彼には手を出すな!!」 「誰が貴様の言うことなんか聞くか!」 「ぐっ!?」 クロロホルムを嗅がされて、僕らは気を失った。 ───助けてやろうか? その必要には及ばないよ、宵。 ───お前に何ができる。傷つけれことを恐れているお前に助けらるとでも思っているのか? 出来る出来ないじゃない。やるしかないんだ。 ────お前には無理だよ。 宵は僕を押し退けた。 優しい彼の言葉が胸の奥を刺す。 巻き込む巻き込めないと悩む時点で、覚悟が足らなかったのかもしれないね。 『待てよ、おっさん』 「?!、寝たはずじゃ!」 『起きてんだろう?なら、寝てねーよなぁ?俺様に薬品なんぞ効かない!』 久しぶりの者場の空気。 唯には悪いが楽しませてもらう! [*前へ][次へ#] [戻る] |