俺様☆みらくる! か・え・れ! 頭痛に悩まされそうになったとき、病室のドアをノックされた。 今度こそ、みんなが見舞いに来てくれたのだ。 「…先客がいましたか。出直しましょうか?唯」 『気にしないで、帰るところだし』 「待て、話が終わってない。紹介をしろと言っただろう!こいつか?三樹雄とやらは!」 「……いえ。僕は清田 修二と申します」 「時枝 雅です」 「杉下と申します」 「…瀬戸内、ですけど」 『…兄さん、お願いだから指を差さないであげてください。なんか可笑しな自己紹介になってるからさ。三樹雄は、彼です』 「初めまして。その節は助かりました」 「…イケメン…まぁクリアとするか」 何が?! 兄さん、嫌がらせの一貫なら凄く厄介だからやめて! 兄のお墨付きみたいになるじゃんか! あー、兄さんが変なことを言ったせいで他の二人まで目を光らせ始めた。 清田が一番厄介だよー。 「…ふむ、恋人候補は三樹雄と、清田と、時枝か。まぁよくもタイプの違う三人に好かれたもんだな」 『へ?なんでわかっ…』 「雰囲気が変わったのは二人だけだからな」 「観察力に長けていらっしゃるようで」 「まぁな、これでも社長なんで」 「…顔くらい知ってますよ。愛斑 伊月さん」 「時枝……あぁ、あの。どうりで聞き覚えがあるわけだ」 南雲が分かりやすく不機嫌になり、僕はフォローのため近くに呼んだ。 兄さんと三人は盛り上がっていく一方で、それに比例して盛り下がる僕らは仲間同士話をする。 ていうか、僕の見舞いじゃなかったの? 「………はぁ…」 『なんか、ごめん』 「むしろゴメン…病人に気を使わせるために来た訳じゃなかったんだよ、なぁ?」 「怪我人だろ、瀬戸内。しかし、事件前と変わらなくなってきたな、唯」 「そうだよね、言葉も詰まらなくなったし」 『まぁ、軽いものだったんだしさ?すぐに戻るから、南雲は部屋の片付けをお願い!お兄ちゃんは清田たちのセーブを、お願いしてもいいかな?』 僕がそう言うと、二人は不敵に笑い当たり前と言ってくれた。 部屋で未だに騒ぐあいつらより頼りになるな。 「唯のいいところなら何個だって上げれます!」 「いーや、それなら俺に勝る奴はいないです!」 「大人げないなぁ、唯を落とすためなら何でもするけど幼稚な言い争いには参加したくはないねー」 「落とす?なんて下品な輩だ。だいたい、三樹雄とやらはどの面下げて意見している?」 『……お前ら帰れ!!!うるさいんだよ!』 [*前へ][次へ#] [戻る] |