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俺様☆みらくる!
落ちる
二人で笑い合いながら屋上を出て、帰途に着く。
時枝くんとの距離は縮まったかな?
そう信じたい。

部屋に着くと、南雲が待っていた。
どうやら、珍しく僕のために食事を準備してくれていたらしい。
凄く嬉しくて、にやにやしながら手伝う。


『僕、上手くいったんだよ』

「やれば出来るじゃん」

『そうだよ!でも、新しい問題も出来た…』

「何?言ってごらん?」

『…っえと。また告白されました』

「………」

『…………』




まぁ、そういう反応にはなるよね。
沈黙は辛いけど!

微妙な表情で、手を動かす南雲をうかがいながら、僕は着席。
全て準備が整ったところで南雲は口を開いた。




「…そろそろ、本腰入れて考えなよ。なぁなぁにしていい問題でもないんだし」

『わかってる。三人とも大事だからこそ、きちんと答えを出さなくちゃならないって…』




恋なんて、よくわからない感情を考えるのは難しいけれど、南雲の言う通りではある。


「どちらに傾いたとしても、お前は優しいから色々言い出しそうだけど、信じてるからな」

『え?』

「流されないって信じてる。そんなバカな人間じゃないってね」




南雲は食事に集中するが、僕はあまり味を感じなかった。
流されないって信じられても、流されると言う状況が理解できない。

好きなら好き、そうだよね?




モヤモヤがまたしても胸に募り出した。








翌日、三樹雄が迎えに来た。
改めて思うと、僕はすでに流されているみたいだ。
三樹雄の気持ちに応えられるか判らないのに、彼に頼ったり守ったりしているじゃないか。


生徒会に行けば、清田が甲斐甲斐しく書類を集めてくれる。
頼れる補佐の彼からも告白されているのに、思わせ振りな行動を取っている気がする。


そして、時枝くんにも。






「……唯さま?」

「悩みごとですか?会長様」

「会長様がそんなアンニュイ表情なさると、大変心配になります」

『……ううん。何でもないよ!』




僕は、どうしたらいい?
好きって基準はないのか?
どう判断した?

何故……僕なんだ?


頭の中がグチャグチャで、周りに気を配れなくなっていった。


それにともない、いつもの僕も消えていった。








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