俺様☆みらくる!
2
『ど、どういうこと!?これは…』
僕らが急いで生徒会に着き、ドアを開けると室内は荒らされていた。
そして、ソファに便箋が置かれていたのだ。
「…わからない。俺たちが来たらすでに…それに、清田とも連絡は未だについていない…」
『なん、で…』
「唯さま、落ち着いてください。手分けして探し出しましょう?授業には出て、休み時間に探した方が妥当ですよ…周りに感づかれないように」
『そんなことしれいられない!だって、今この時だって清田が何をされているかわからないだろう!』
「唯たん。尚更、動揺している暇はないよ?教室内にいる人間の監視、及び聞き込みだと思わなくちゃ…」
「俺の親衛隊が若草を監視している、唯は自分のクラスの清田親衛隊を見張れ。時枝はそれとなく聞き込みを。塩屋は幹部に連絡と慎重に清田親衛隊の隊長と打ち合わせを頼む……、くれぐれも一人走らないこと」
『…うん…』
「唯さま、参りましょう…」
情けない。
皆だって躍起になって探したいのに、僕はまた自分しか見えてなかった。
こんな事態になるなんて考えもしなかった。
どうか、無事でいてね。
絶対にみんなで見つけるから。
三樹雄に見送られてクラスに戻った僕は、俯いたままSHRを過ごした。
先生は心配していたけれど、僕なんかどうだっていいんだ。
いや、これでは変わらず自分しか見ていない。
でも、どうしようもない。
一時間目が始まる少し前に切り替えようと、僕は席を立った。
その時、嫌な笑みを浮かべる若草君と擦れ違い、僕は怖くなった。
「……フェイク…」
『…へ?………ッグ!?』
彼がそう呟いたと同時に背中に電撃がほとばしった。
チカチカと視界が光り、刹那真っ暗になった。
「……狙いは最初から、あんただよ」
クスクスと笑う彼は、とてつもなく不気味に瞳に焼き付いた。
【よう】
何か用?
僕は君に構う暇なんかないんだけど。
【仲間が出来て強気になってるじゃないか?単純だな。だが、良い方向には向いているみたいだ】
…だから?
早く目を覚まして、清田を探さなくちゃいけないんだけど。
彼はニヤニヤと笑いながら、おかしなことを言う。
【本当に清田が拐われたと?ただ連絡がつかないだけじゃないか。それに、何故お前まで気を失わせる必要がある?】
何が言いたいの!?
【狙いは、お前だった。最初からお前だけに危害を加えている…】
最初から……?
あぁ、そうだよね。
いじめを受けたり嫌がらせされたり、何だかんだ僕が標的だったんだ。
屈しない僕に飽きて、清田に飛び火がいっ……あれ。
清田の親衛隊の仕業なら、何故清田を?
【俺様は優しいからな、お前のためなら何でもしよう。お前が傷つけられるのを見るのも飽きてきたしな……お前はそのまま眠っていろよ】
やめろ。
勝手なことはするなよ。
これは、僕の問題なんだよ!
【バカだな?お前は俺様なんだぞ?まぁ任せろよ、俺様が今まで片付けをしたじゃないか。今まで通り…守ってやるよ】
バカを言うな…やめろよ。
僕の声が遠退く。
彼はカラカラと笑いながら光の中へ消えていった。
あぁ…人格が変わってしまった。
見られたくはなかったのになぁ…
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