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何かテスト前
朝チュンレベル





「はぁー、明日はテストかぁ……」

学校からの帰り道。
溜め息を吐きながらそう言ったら、カヲル君は笑った。

「嫌そうだね。不安なのかい?」
「うん、この前の小テストも結果悪かったしさ。カヲル君は頭いいから、嫌じゃないかもしれないけどさ」
「そうだね。もし良かったら僕が勉強教えてあげるよ」
「えっ、いいの?」
「もちろんさ。今から僕の部屋来るかい?」
「うん、行く行く!」

この時の僕は安易に返事をしすぎたと思う。
でも、よく考えた上で返事をしたところで、カヲル君の考えることなんて多分一生わからない。



「で、こうなるからx=2だね」
「なるほど。そうやって解けばいいんだね」

カヲル君の説明は凄くわかりやすかった。
難しい問題でも簡単に教えることが出来るんだな。流石というか、感心する。

「次はこの問題。今度は自分でやってみて。さっきの問題と同じ解き方で解けるから」
「うん、わかった」

早速問題に取りかかる。
解きながらカヲル君をちらっと見ると、カヲル君は勉強とは関係なそうなよくわからない雑誌を読んでいた。
自分の勉強はいいんだろうか?
そんなことを考えていたら、カヲル君と目が合った。

「解けたかい?」
「あ、待って。もうちょっと……えーっと、x=5?」
「正解。よくできたね」

カヲル君は優しく微笑んだ。

「ご褒美をあげよう」

そう言うと、カヲル君は僕の顎を引き寄せて唇を重ねた。
びっくりしている僕のことはお構いなしに舌を入れ、口内を犯す。

「……んはっ……か、かをるくん……?」

急に火照った体を鎮めようとしながら、カヲル君の名前を呼ぶ。

「さぁ、次はこの問題ね。今度はさっきのより少し難しいよ。頑張ってね」

カヲル君は何事もなかったように勉強の話へ移った。
何だったんだろう、さっきのは。
いや、ご褒美だってことはわかるけども、これから一問解く度にキスされるんだろうか。
まぁ、確かに嬉しいけどさ。
少し気持ちが昂ぶっているのを感じながら、僕は問題を解いた。

「カヲル君、一応解けたけど……」
「どれどれ……うん、正解だね」

カヲル君は微笑むと、僕の体を後ろから抱き寄せた。
僕の腰に左手を回すと、右手で服の上から僕の胸の突起を刺激した。

「ちょっと……かを……るく……」

抵抗しようにも、快感が襲ってきて力が抜けてしまう。
カヲル君は僕の胸の突起をいじり続けている。
僕からはカヲル君の表情は見えない。何を考えているのか読み取れない。

「かを……」

突然カヲル君の手が止まった。
そして、僕から離れる。

「ど、どうしたの?」
「じゃあ、次の問題ね」
「え?」

カヲル君は何事もなかったかのように次の問題を指し示すと、さっきから読んでいる雑誌に目を落としてしまった。
こんなところで止められるなんて!
これじゃあ、ご褒美じゃなくて拷問じゃないか。

「カヲル君……」
「ん? どうしたんだい? わからないのかい?」
「いや、そういうわけじゃ……」

呼びかけてみても、カヲル君は何事もないように振舞っている。
わからないのはカヲル君の行動だよ!
一体僕を困らせてどうしたいっていうんだ。

「はぁ」

仕方なく目の前の問題を解くことにした。



ここから先は本当に拷問のようだった。
問題を解いては抱かれ、途中で止められ……の繰り返し。
体がおかしくなりそうだ。頭も。
でも、その繰り返しも終わる時が来た。

「うん、最後の問題も正解だね」
「やった」
「よく頑張ったね、シンジ君。さて、本当のご褒美をあげよう」
「カヲル君……」
「あ、でももう遅くなっちゃったね。帰らなくて大丈夫?」

カヲル君は時計を見ながら、わざとらしく焦らす。
もう焦らされるのは御免だった。
カヲル君の思い通りだとはわかっていたけど、僕は叫んだ。

「カヲル君! 散々焦らしといて結局なしなんて嫌だよ?」
「ふふっ、そうだね。僕としても、ここまで教えたんだから、僕に対してにもご褒美がほしいな。今夜は止まってくかい?」
「うん」

自分でも随分積極的になってることがわかった。
そんな僕の様子にカヲル君は満足そうだった。

「じゃあ、やろうか」

その後ベッドに移動して、カヲル君とひとつになって、何回果てたかはわからない。



「シンジ君、起きて」
「んー」
「ほら、早くしないと今日はテストだよ」
「えっ!? ――っ!」

僕は飛び起きようとしたけれど、腰の痛みで起き上がれなかった。

「ごめん、昨日やりすぎちゃったみたいだね。立てる?」
「なんとか」

カヲル君の手を借りて、ベッドから起き上がった。
そして、差し出された服を着る。

「うー、眠い」
「結局三時間くらいしか寝てないからね」
「これじゃあ、せっかく勉強教えてもらったのに、頭がぼーっとして解けないよ」
「大丈夫、昨日のことを思い出せばきっと解けるさ」
「そうだね、昨日のことを思い出せば……」

って昨日のことを思い出そうとしても、ご褒美という名の拷問の方しか思い出せないんだけど……。
僕の顔が赤くなったのを見逃さずに、カヲル君は言う。

「そうそう、テストの時もそうやって思い出すんだよ。これでテスト中も退屈せずに可愛いシンジ君が見られるね」
「カヲル君……初めから……」
「テストの問題を一生懸命解いているシンジ君も愛くるしいけど、それはこの前の小テストで見たし、違うシンジ君も見たいと思ってね」

何も言い返せない。
どうしてそんな考えに至ったのかわからない。
テスト中に自分のことを見る余裕があるような人とは頭のつくりが違うんだと思う。

「もう学校行く!」
「朝御飯は? ちゃんと食べないと頭働かないよ?」
「いらない! 食べたところでどうせ働かないよ!」
「牛乳だけでも飲んだら? それとも昨日の僕のミルクでお腹一杯?」
「――っ」

カヲル君はいちいち思い出させるようなことを言ってくる。
それにいちいち反応してしまうのも悔しい。

「もうカヲル君なんて知らないっ!」
「待ってよ。じゃあ、僕も行くよ」
「知らないって言ってるじゃんっ!」

僕はカヲル君から逃げるようにカヲル君の部屋を飛び出した。
だから、悔しいけど僕はテスト中に昨日のご褒美のことを思い出してしまうんだろうと思った。
悔しいけど、嫌ではないけれど、僕はカヲル君から逃げられないから。














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体を動かしながら勉強するというのは良いらしいですね。
全てはカヲルのシナリオ通り。

H22.9.23



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あきゅろす。
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