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縁切りの神様
二兎を追う者は一兎をも得ずC



だが、妹でありながらもようやく宗貞への想いを自覚した吉子はというと―――




「お兄様の匂い‥何だかとっても懐かしい匂いで、私は大好き///」

許されない想いと分かっていながら、兄である男のベッドに身を横たえ悶えていた。




「お兄様はいつも此処で寝ているのね??何だか不思議な気分だわ」


ずっと離れ離れで暮らしていたとはいえ、流石は血の繋がった兄妹であるというか。

吉子は初対面の時から宗貞の事を違和感無く、自分の『兄』として其の存在を難なく受け容れる事が出来た。



けれど、自分の知らない所で『兄』である宗貞が存在し、互いに何も知らずに今まで過ごして来たと考えるとやはり違和感は拭えず。



「お兄様はいつもどんな風に過ごしていらしたのかしら??」
「どんな子供時代を過ごして、どんなご友人関係を築いて、どんな学校生活を送っていたのかしら??」
「きっと此のお部屋には、私の知らないお兄様の思い出がたくさん詰まっているのでしょうね」


悔しい様な、寂しい様な、そんな複雑な気持ちにさせられるのだ。


まるで宗貞の事は何でも知っていたいと思える様な。





「っ///いやだわ、私ったら!!昼間からお兄様の事ばっかり考えてる‥‥」


思わずギュウッと枕を握り締めてしまった吉子。

其処からまた、宗貞がいつも付けている整髪料の香りが仄かに漂い―――




「おにい、さま……」

いけないとは分かっていても、彼女は衝動を抑えきれず熱く潤う下半身にそっと手を伸ばしてしまった。




「んん、んっ///」

いつ兄である男が訪れても構わない様、布越しにコスコスと軽く擦ってみせる。

けれど当然の如く、刺激は全く足りない。


しかも性質の悪い事に



「やっ……!!だめ、こんなこと‥いけないの、にっ」

中途半端に触ったせいか、どんどん身体が火照って熱を帯びてくるではないか。



まさに逆効果。

吉子は理性で必至に欲望を抑えようと抗うが



「〜〜〜っ///」

惑わせる様に充満する宗貞の匂いが其れを許さず。




「だめ、よ///こんな姿、みられ‥たら!!お兄様に…嫌われ、ちゃうっ」

吉子は悶々とした気持ちで懸命に下半身から意識を逸らそうと努力した。



其の時―――



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あきゅろす。
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