縁切りの神様
一夜の過ちF
「…知っているよ」
「え‥‥‥??」
「どうせ宗貞の事を言っているんだろう??今更隠さなくても良いよ、俺は最初から気付いていたからね」
「ッ///」
彼はしれっとした様子でそんな事を言い出したのだ。
「ずっと君を‥君だけを見ていたんだ。十年以上も、ずっと。なのに気付かない方が可笑しいだろう??」
尤も、君が俺の想いに気付く事は無かったみたいだけどね。
なんて、皮肉たっぷりに笑ってみせた業平は既に京の知っている業平では無かった。
「そ、そんな‥///」
彼の言葉を俄(にわ)かには信じられなかった京は今度こそ激しく動揺させられた。
女にだらしなくて、一ヶ月も経たない内に別れてしまうような
そんな不誠実の代名詞の様な業平の事なんて一度たりとも男として意識した事がなかったと言うのに。
其れなのに
「言ったろう??君に触れたいと。例え君が他の男を想っていても、此の想いだけは決して変わる事の無い‥紛れも無い本物なんだ」
「やっ///」
酷く熱い、彼の手が京のむっちりした太腿を撫でた瞬間
「な‥業平はんっ///」
「愛してるよ、京」
ドクリドクリと
其れまで緊張故に激しい鼓動を打っていた心臓が今まで以上に激しい脈動を打ってきたので。
このままでは押し切られてしまう!!
と焦りながらも
「だから‥こればっかりは京のお願いでも譲れないな」
「ひぁっ?!」
彼女は無遠慮にも自分の素肌に触れてくる男の手を振り払う事が出来なくなってしまったのだ。
それどころか
「いやや‥業平は…んんんっ///」
荒々しく口付けられて名前さえも呼べなくなる。
「ん、ふ‥んぅうっ」
代わりに咥内では業平の舌先が縦横無尽に、好き勝手暴れていた。
「はっ‥ん、んっ///」
レロ、と生々しい舌触りにゾクリと全身の毛穴が開く様な錯覚さえ覚えさせられる。
逃げなければ。
そう思って京が腰を引こうとしても
「ッ///」
まるで逃がさない、とでも言いたげにガッチリと京の腰を掴んで離すまいと拘束してくる業平。
そんな、強引で荒々しい業平の愛撫に初心な京はというと。
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