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縁切りの神様
貴方を想うからこそE



「だ、そうですよ??兄上殿」
「ッ///」


ダダダッ、と慌しく境内を駆ける音が聞こえてきたので。


宗貞の言葉と其の忙しない足音にハッとさせられた娘が恐る恐る振り返れば


其処に居たのは―――



「亜由美!!」
「兄さんっ///」

何と、実の兄である男だったのだ。



「…兄さん、どうして此処に??」

ハァハァと息を切らし物凄い形相で此方を睨んでくる兄。


其の憧れの兄を想って泣いていた事が急に恥ずかしく感じられた娘は赤く腫れた目元と涙の跡が残る頬をさっと隠してみせた。


すると



「亜由美から離れろ!!」
「「!!!!!」」
「其れは…俺のモノだッ」


嫉妬心を剥き出しにした兄がそんな事を言い出したので。



「なっ///に、兄さん?!」

兄の口から飛び出た言葉に恥ずかしさと驚きと嬉しさを隠しきれなかった娘は戸惑った様子で声を上げる事しか出来なかった。


そして、誤解以外の何物でも無い言い掛かりと付けられた宗貞はというと。



「フフッ、どうやら私と君の仲を勘違いしている様ですね。随分血気盛んで早とちりな兄上だ」
「え、あ///」

実に愉快そうに、そして悠長にも娘の耳元でそう語りかけてやったのだ。


瞬間、ふわりと耳元にくすぐったい宗貞の吐息が掛かったせいでドキンと心臓が跳ねてしまい。



「ち、違うの兄さんっ///此の人は―――」


雲行きの怪しい展開に危機感を抱いた娘が誤解を解こうとした瞬間だった。




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