縁切りの神様
忍び寄る不吉の予兆E
其の一方で。
「ほんに‥宗貞はんはシャイどすなぁ」
「何を言い出すかと思えば‥///いい加減子供扱いしてからかうのは止めて下さい!!」
先程の吉子と同じ様に、子供扱いしてちょっかいを出してくる京に対し文句を言ってやれば。
「女相手にそない怒ったらあきまへんよ、男やったらいちいち目くじら立てんでどーんと構えてた方がもてはるやろし」
などと、相変わらず意地悪な笑みを浮かべてはからかう様に京がそんな事を言い出したので。
昔から姉御肌で、おっとりしている様に見えて気丈な京には今でも頭の上がらない宗貞は少し困った様に
「別にモテなくても構いませんよ。あぁ、京殿。適当に座っていて下さい。直ぐに父を呼んで参ります」
などと言って、上手く其の場から立ち去ろうと試みたのだ。
「では‥‥」
「あ、宗貞はん?!何処に―――」
「大丈夫、父の部屋は此処から近いですから。直ぐ戻って来ます」
コレ以上弄(いじ)られるのは正直不愉快だった。
例え其れが実の姉の様に慕っていた相手だったとしても。
成人した今では、単なる知人にしか過ぎないのだから。
しかし―――
「待っとくれやす!!」
「!!!!!」
ガバッと
後ろからいきなり京に抱き付かれてしまい。
ビックリした宗貞が
「えっ‥‥…??」
と、困惑気味に振り返った其の瞬間だった。
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!