縁切りの神様
もしも奇跡が存在するのならばB
そんな、お世辞にも口が上手いとは言えない不器用そうな兄から思わぬ褒め言葉を貰った吉子の反応はというと。
「あら、嫌だわお兄様ったら///天女だなんて…恥ずかしいですわ」
「!!!!!」
ぽぉっと
頬をほんのり桜色に染めては、満更でも無い様子で俯いてみせたのだ。
其の恥ずかしがり様はとても微笑ましくて処女特有の初々しさを備えており。
余計に愛しさが募って胸が苦しくなってしまった宗貞がごほん。と照れを誤魔化す様に咳払いした瞬間だった。
「おーい、宗貞ぁ。お客様だぞ〜」
「「!!!!!」」
「全くいちゃついてないでさっさとこっちへ来ーい!!」
父である男が廊下の遥か向こうから大声でそう裂けんだので。
吉子との間を茶化す様な其の言葉に羞恥を覚えた宗貞が
「なっ///」
と、声を詰まらせカァッと頬を染めた瞬間。
其れとは対照的に
「あらあら」
なんて愉しそうにクスクスと笑みを零す吉子。
そんな、吉子の特に気にも留めていない態度に胸をズキリと痛めた宗貞ではあったが―――
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