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縁切りの神様
決して叶う事の無い想いにG






「お兄様も呼んで下さいませ。私の名前を‥」

純粋無垢な笑顔を浮かべた吉子がそんな大胆な事を言い出したので。



「う///」

思わずたじろいでしまった宗貞は、そんな事出来る訳が無いと思って思わず目線を逸らしてしまった。



そうすれば



「…‥嘘です」
「!!」
「我が侭を言ってゴメンなさい。今のは‥冗談ですから」

案の定また兄を困らせてしまったと勘違いした吉子が無理に明るく笑ってみせるから。



またしても愛する女を傷付けてしまったと深く反省させられた宗貞は意を決して



「‥…吉子」

と、初めて彼女の前で彼女の名を呼んでみせたのだ。



すると―――



「っ、お兄様///」
「うわっ///」


嬉しい。と

確かに叫んだ吉子がガバリと胸に飛び込み抱き付いて来たので。



「〜〜〜っ///」

むにゅ、と

標準以上は軽くある、彼女の柔らかくて豊満な胸が宗貞の逞しい胸板に押し付けられて来たので。



「よ、吉子ッ///」

うっかり心地良い感触に下半身が感じてしまい。


其れを悟られたくない一心で、彼は慌てて妹である女を引き剥がしてやったのだ。


ベリッと。


そして



「幾ら兄妹とはいえ…私も立派な男なんだ、こういう破廉恥な真似は軽々しくするもんじゃあない///」

と、如何にも兄らしい口調で嗜(たしな)めてやれば―――




「嬉しい!!」
「え……‥??」
「宗さ‥じゃなかった。ねぇ、お兄様。私の前ではいつもの様な堅苦しい口調ではなく‥そうやって兄妹らしくもっと打ち解けた口調でお話しして下さいませ」


吉子はわざと距離を置いて敬語で話す宗貞に対し、まるで寂しさを訴える様にそうお願いしたのだ。


そして、可愛い妹にお願いされれば頑固な宗貞も折れるしか無くて。




「…‥分かったよ、吉子」
「!!」
「コレでいいかい??」

結局、距離を置く所か



「えぇ、ありがとうお兄様っ」
「ッ///だから女性がむやみに男に抱き付いてはいけないと―――」
「ちょっとくらい良いでしょう??兄妹なんですし」
「くっ‥‥///」

ますます親密となってしまい、宗貞の苦悩は日を追う毎に増して行く事になるのだった―――



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