縁切りの神様
其れを運命と呼ぶのならD
「はっはっは!!流石我が息子♪話しが分かるな」
「ッ!!」
急にご機嫌になった父がバンバンと、無遠慮にも力一杯宗貞の背中を叩いて来たので。
「い、痛いです父上!!乱暴な振る舞いは御止め下さいッ///」
と言って、怒りで顔を真っ赤にした瞬間だった。
「もう入って来て良いぞ」
「……‥はい」
「!!!!!」
父が声を掛けたと同時にガラリと襖(ふすま)が開いて。
何事かと思って宗貞が襖の方を凝視すれば―――
「お初にお目に掛かります」
「ッ///」
其処には何と
天女とも見紛う程の壮絶な美少女が突っ立っていたのだ。
そして、父同様一瞬で心を奪われてしまった宗貞が呆然とした様子で娘を見詰めていると。
「宗貞よ。此の子が儂のもう一人の娘の‥吉子だ」
ニヤニヤと、まるで自慢げに父が娘を紹介して来たので。
本気で彼女に見惚れていた宗貞には、そんな嬉しそうに語る父の声など耳にも入らず
「不束者(ふつつかもの)ですが‥宜しくお願い致します」
「う///」
それどころか
ふわりと桃の花の様に麗しい其の美貌を和らげた彼女の顔をマトモに見る事が出来ず
「こ、此方こそ‥宜しく///」
カァッと赤らんだ頬をサッと逸らしては、実にぎこちない様子で挨拶を済ませるのだった。
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