青春真っ盛りなんだけど(4)


「お、絶景!」

「?・・・」

短時間の内に2度も出した元気な拓斗は、新一にソファーから蹴落とされた後、殴られた頭を撫でながら床から体を起こして不可解な言葉を吐いた。

「これを見ると自分のモノにしたって実感が沸くんだよな」

「・・?」

拓斗の視線は、両膝を立て脱力したまま動かない新一の股の間をに注がれていた。

「うほ、出てる出てる〜俺のが」
「なっ、て、てめえ!」

ガバッとソファーから起き上がり腰を引くと、更にドロリとしたモノが尻から出て来るのを感じた。
拓斗が新一の中に放った精液。
それが穴から自然と出て来るのを、面白そうに拓斗は眺めていたのだ。

「へ、変態か!てめえは」
「いや、これは男だったら誰もが見たいって思う光景だぞ。いや〜エロイなあ。俺のが新一から出てる〜」
「キモイこと言うな!」
「うわ、新一の穴、ヒクヒクしてるぞ。何?誘ってんのか、もう一回犯るか」
「やんねえし!もう2度としねえんだからな」
「えー何でだよ。俺マジで興奮した。今までで一番気持ち良かったし、お前だって気持ちよがってた。なあ新一、セフレになろうぜ」
「ふざくんな!」
「絶対ソッチの才能あるって」
「そんなもんはねえ!!」
「あんあん悶えてアソコ擦りつける新一もかわいかった」
「ぅ・・・・・・」

拓斗の言葉に閉口した新一の顔は真っ赤。憤慨していた頭の中を巡っているのは今や怒りの気持ちだけではなかった。

自分もSEXに溺れた。

拓斗の愛撫や突き上げによがった体を指摘されて、その事実が恥ずかしくてたまらなかった。
何で自分はこうも節操のない体になってるんだろう。拓斗に突っ込まれて感じたなんて、自分は誰とSEXしてもこうなるってことなのだろうか。

こんな体になったのは・・・クソぅ・・・
全部あの変態オヤジのせいだ!

「いや、マジで。新一すげえわ。何回でもイけそうな気がする」
「1人でイって死ね」

目をキラキラさせて言う拓斗の頭を再度こづいた。




しかし・・・週末の行動をそんなふうに観察されていたとは。

拓斗にばれた。
自分が男とSEXしに外泊していることが。
バレたことはマズイ。・・・これから週末の度に「SEXしに行くんだろ」と言う目で見られるのかと思うと、気が気でならない。・・・いや、2日後のSEXよりも今考えないといけないことは拓斗とのこと。前門の虎と後門の狼。当面の課題は不審な近親者より不審な同室者にあった。




「中、掻き出してやろうか?」
「・・・」
「無視すんなって〜新一。これからも長い付き合いになるんだからさ」
「・・・何のことだ」

へらへらして拓斗は衣服を整え、ティッシュの箱を目の前に置いた。

「これからもよろしく!あ、俺は週一でOKだから、週末はできないから・・・なか日がいいよな今日みたいに」
「だから、何のことだ」
「セフレ契約」
「だからふざくんなって!誰がお前とそんな、」
「いいじゃん。ほら、口止め料ってことでな」

唇に指を立ててウインクした拓斗。


(こいつ・・・始めからそのつもりで犯りやがったのか。)


「ひ・・卑怯だぞ」
「そうでもしなきゃ犯らせてくれないだろ」

勝ち誇ったように笑い、拓斗は取り出したティッシュでソファーの上を汚しているものを拭き取り始めた。
新一も体を起こしソファーから降りたが、その場で事後処理をするなんて羞恥で死にそうだったので、下着を汚すのを覚悟で脱がされた衣服をそのまま身にまとった。

「じゃ、水曜はHの日に決まりな」
「・・・誰がするかよ」
「いいよ、適当に襲うから」


今年も厄年か・・・
周りは皆健全にさかっていると言うのに、どうして俺はこうも当たりが悪いんだろう。俺だって普通のHだったら万々歳だが、なぜ掘られる側ばかりに。別に掘る側になりたいわけじゃない。ケツの穴に突っ込みたいなんて天地がひっくり返ったって思わない。挿れるならあの柔らかそうな女の子の花園に、やんわりと包まれたい。・・・そんな男の切なる夢をぶち壊す狼が、目の前で笑っている。

目前の危機は来週の水曜日だ。
2度目なんて絶対に無い。
拓斗とは金輪際こんなことはしない。

回避する方法なんて何も浮かばないけれど、新一はそう心に決めた。






「・・・新一」

「はぁんん・・っ・・・なぁ・・・なあ・・・に・・・」


やってきた週末。
今回は叔父さんの仕事の都合で土曜の夕方からマンションに連行された。

一日少ないだけでも全然違う。やっぱり2泊3日は若い俺でもそうとう体に負担がかかる。叔父さんはというと・・・40過ぎとは思えない尽きぬ精魂でガンガン突きまくる。まともに付き合っていたらそのうち本当に体が壊れてしまいかねないと、本気でそう思えるほどの精力の持ち主だった。


「・・・少ねえ」

「はう・・・ん・・・・ぁ?」


大河のごつごつした手がペニスから離れる。
前戯でペニスを扱かれていとも簡単に射精した新一は、快感で朦朧となった耳に大河の妙な言葉を聞いて頭にハテナマークを浮かばせた。


(少ない・・・とは何のことだろう。)


一度目の解放を終え、色情にうるんだ目を開けて上にのしかかる大河を見ると、その視線は自分の腹の上に注がれていた。腹の上、そこには今自分が放ったモノが飛び散っているはずだったが・・・
それを指ですくい取り大河が口に含むのを、射精後の倦怠感の中で新一はボーッとしながら見ていた。


「なんだこりゃ・・・」


いぶかしみながら大河はもう一度、新一の精液をすくいペロリと舐めて味わった。

「おい、新一。てめえは・・・」
「・・?」


「いつ出しやがった」
「・・・ん・・。はぁ?」


「なんでここが空になってんだよ」


そう言って大河が乱暴に指先で掴んだのは睾丸。さっきまで張っていた袋は射精により少し皮が緩んだようになっている。そこを強めにもみながら、いぶかしむ顔で大河は新一を睨んだ。

「へっ・・・・・何?何のこ・・・と」
「一週間ぶりにしちゃあいつもと比べて量が少ねえ。しかも味が薄いときたら・・・おかしいじゃあねえかよ…」
「・・・・・ぃ・・・・・」

ま・・まず・・・・まずい・・・。
量とか味とか・・・そんなことまで叔父さんは・・・

ただ毎回突っ込んで好き放題犯りまくっているだけだと思っていたけれど、そんなことまで確かめていたなんて。ドロリとした苦くて青臭い精液を好んで飲む大河ならではの発言に、新一は顔をひきつらせて大河を見た。

本当にこの人は自分の何もかもを知り尽くしている。それが末恐ろしくて体を震えが襲う。が、今は何よりもあの事がばれるのが・・・・恐ろしかった。


3日前拓斗とSEXした。
あの時一度だけ射精をした。フェラチオで口内射精するのを嫌がった新一に、拓斗が互いのペニスを擦り合わせることで射精感を促し、親友の手の中であえなくイッたのだった・・・・・・。
大河はたった1回の射精すら見逃さないと言うことだろうか。体液まで管理下に置かれているなど・・・・・・・・その異常さに辟易した。

目の前の大河はしかめっ面で機嫌が急下降している。SEXの最中は上機嫌なはずなのに新一の精液の味に納得がいかないと言った面持ちだ。

「さて・・・こりゃあどういうわけなんだあぁ〜」
「・・・や・・・その、そんなの・・・知らない」

「知らねえわけねえじゃねえか。てめえまさかオナりやがったか」
「・・・・・・あ」


(そうか!そうだ。自分でオナッたって言えばいいんだ!)


別にオナニーしてはいけないとは言われてない。男子高校生ならナニでナニするのは生理現象。夢精・・・はちょっと通用しそうにないので、恥ずかしいけどオナッたことにすればいい。それに・・・・・アレはオナッたうちに入るかもしれない。
拓斗にフェラチオされた挙句、無理やり手コキに持って行かれて新一は拓斗の、拓斗は新一のペニスを扱いてイッた。そう、あれも一応オナニー。他人の手でイッたから自慰とは言い難いのだが、2人でオナッた・・・そう言うことにしておこう。
新一は閃いた!とばかりに大河に言い訳がましく答えた。

「う・・・うん。その・・・・した。自分で・・・」
「てめえでマス掻いたってか?」

「う・・うん」

新一は恥ずかしくなり顔を横に向けて視線をそらしたが、それは真実を見抜こうとする大河の視線が痛いからでもあった。

「いつしやがった。ああ?」
「す・・すい、水曜・・」

「ケッ、あれだけ絞り出してやってもまだそんな元気があるのかよ。さすが17歳だよなあぁ。オナるほど精力余ってるなら、なか日も呼んでやろうか〜新一」
「う・・」


『なか日』という言葉にビクッとする。

やっぱりまずい。拓斗とのSEXはまずかった。
これがばれたらとんでもないことになる。
叔父さんが本気で怒ったら・・・想像するのも怖い。

大河の執着は「すごい」を超えて「異常」の域に達している。この間は怪我をしただけで相手を殺すとか言っていたし、新一の体は爪の先まで自分のものだと言ってはばからない。体を支配しただけでは飽き足らず、「好き」だと言わせて心まで欲しがる。
極度の執着心。
だから新一が他の誰かとSEXしたなんて知れたら・・・



自分も拓斗も生命の危機・・・かもしれない。



「や・・・それは・・・・いいです。たまたま・・・その、ほんとにたまたま」

目を白黒させて「たまたましたくなった」と言った新一のウソは通用しただろうか。例え不信に思われても本当のことなど絶対に言えないのだから、新一はこの危機をどうにかして乗り切るしかなかった。

「ふ〜ん。じゃあ、ここでやってみろ」

「え?」


「オナニーだ。気持ちよくイクところを見せろって言ってんだ」

「・・・・へ・・・・・」

ニヤリと笑う大河は新一を連れてベッドから降りた。そして1人がけのソファーに新一を座らせると足を片方ずつ左右のひじ掛けにのせ、M字になるように開かせた。

「脚閉じるなよ。尻の奥までちゃんと見せろ」
「・・おじ・・。大河さ・・・・」


「自分の手で犯れ。新一が自分でいじくってイクところを、じっくり見物させてもらおう。射精するまで、終われると思うなよ」


ガウンをまとい向かいのソファーにドスッと腰掛けた大河は、煙草に火をつけ煙をくゆらせ始めた。その目の前でトロンとしな垂れたペニスを曝け出す新一は、閉じることを許されぬ足を震わせながら、自分が言った嘘を後悔した。

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あきゅろす。
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