下降への一歩 ※
ブレザーとシャツのボタンをはずされネクタイも解かれた。



両腕はすでに拘束されていて、胸元を大きく開いても肩の所で服が全て引っかかる。「縛る前に脱がせておけばよかった。失敗したなあ」と1人ゴチっている男は、それでも全裸よりこの方がそそるか・・・といやらしい目つきで夕輝のあらわになった素肌を視姦している。


「乳首はまだピンク色か」
「ひゃ!」

いきなり乳首をつまみ上げられて、初めて味わう刺激と痛みに声が跳ね上がる。親指と人差し指で挟んだ先端をコリコリと摘むと「くっ・・」と夕輝の声が漏れ体に無駄な力が入る。ピンクに色づく乳首を口に含み舌先でレロレロと舐めるだけで、そんな行為に慣れていない夕輝は体を震わす。

「ここを舐められるのは初めてか?」

「っ、、うるせ・・」

生意気な返事にカリッと乳首に歯を立てると、「痛い」と言う声とともに縛られた腕を引き、胸をかばい背を丸めようとする。指でこね回していた反対側の乳首にも吸い付き、同じ痛みを与えると、また胸をよじった。



「もう一度聞くが、ここを舐められるのは初めてか」



夕輝の口から答えを言わせたくて、乳首の先をまた歯で挟む。噛まれる痛みを痛感した夕輝は仕方なく口を開いた。

「・・・・・・・・・・・っ・・たりめぇ・・だろ」


「薫の話じゃ、かなり女と遊んでいると聞きいたが、ありゃガゼか?」
「そんなとこ、舐めさせ・・ねえだろ・・普通」



顔を背けて卑猥な行為を責めるように、否定の言葉を口にした。

「きれいなSEXしか経験なしか?童貞捨てたばかりじゃあるまいし。意外とガキくせえな」
「そのガキ相手にてめえは何してんだよ、離しやがれ」
「させてねぇんなら・・・・・・・・・・俺がイイコトしてやるよ」
「てめ・・やめろ・・離せって!!」


カチャカチャとベルトが外され、ズボンと下着をズルッと膝まで下ろされる。しっとりとした革張りのシートに直接素肌が当たり、冷たい感触が尻や足に伝わる。首を何とか起こしてあらわにされた自分のものを見ると、それは少しだけ形を変え、ムックリと頭をもたげ始めていた。

反応している若い性器を指先でピンと弾かれると、弾力を持ち始めたペニスはぶよんと揺れながら力なくしなだれる。

「やめろ、さわんな」
「こんなになってるのにか?」

まだ勃起しきっていない中途半端なペニスの裏筋をツーっと人差し指の腹でなぞりあげるとむずがゆさに「っ・・・・・あ・・・」と声が漏れる。



「指一本で声を上げるほど感じているのに・・・・2本にしたらどうなるかな」



楽しそうにペニスに触れる指をもう一本増やす。今度は親指と人差し指で竿を両側から軽く挟み、付け根から亀頭のくびれまでを数度行き来してみる。

「ん・・・・ぁ・・・・」

慣れない感覚に腰をくねりその快感を逃そうと必死に我慢するが、下半身からくるゾクゾクとした快感の波に腰が自然と浮き始めた。



「ペニスを触ってもらったことは?」



さっきと同じように性行為の経験を意地悪に聞いてくる。
ペニスを行き来する指は緩やかで弱い快感を与え続けるだけで、もどかしさに半勃ちのモノが力なくわなわなと震える。そんな俺のやりきれない状態が同じ男なら分かっているはずなのに、こいつはわざといいところで動きを止めたり、力を弱めたりして快感をうまいことはぐらかす。

「なあ、ここいじってもらったことあるのか」
「・・・あ・・あるわけ、ね・・だろ」
「じゃあ、フェラもねえってことか」
「ったりめぇだ。そんなこと・・・・・させられるか」
「今どき貴重な考え方だな」

お互いの性器を舐め合うとか、そんな濃厚なSEXはしない。ご奉仕のつもりで触ってきた女の子の手をそんなこと必要ないってむげに振り払ったこともある。エロDVDの情報を真に受けていたら俺は恥ずかしくてHできない。ああいうのはサクサク終わらせるものだ。お互いがイケれば気持ちい。それで十分だったから。本当に好きな子が出来たらそういう行為もしてあげたくなるのかも知れないけど、まだ何でもしてあげたくなるほどの女の子には出会っていない。
なのに目の前の男、仁は、執拗に性器で遊ぶ手を離さない。しかも、それが・・・今まで感じたことが無いくらい・・・・・・・・・気持ちがいいのが問題だ。

「もっと気持ちよくしてやろう」
「!」



仁の口がペニスを含むのが目に映った。



う・・・・・・・・・・・・・・・・嘘だろ・・・





男の性器を、男が口に入れるなんて・・・・・・・彼女とさえしたことの無い信じられない光景に時間が止まったように動けなかった。

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