玄関で災難(2) ※
「クソ、てめえふざけたことしやがって、放せ」
「ふざけたつもりはない。目の前に好みの人間がいたら、食ってみたくなるだろう」

「てめえの目は節穴か。俺は男だ」
「ああ、そんなことを気にしているのか。安心しろ、俺は男も女もOKだ」


なにがOKだ!クソキモイことぬかしてんじゃねえ。


「キモイ・・・」
「こんないい男を前に、失礼な奴だな」

自分で言うか・・・




男が俺の腕を放しやっと拘束が解けて安心したのもつかの間、その手が伸びた先は――――


ムニュ



「ぎゃーーーー」

男はあろうことか俺の股間に手を伸ばし、俺の中心にあるモノを掴んだ。

「若いな、やっぱり感じているじゃないか」

ズボンの上からでも分かるくらい、奴のキスによって俺の息子はムックリと膨らんでいた。そのまだやわらかい膨らみを確かめるように手の中でゆるゆるともみ始めた。

「ぎゃ、やめろ、さわんな変態!」

自由になった手で股間に伸びた手を掴もうとするが、もう一方の手で両手首をつかまれ頭上で固定される。なんっつーばか力だよ。信じられん。自分も腕には自信がある方だがさっきからこの男には全く力では叶わない。
足の間も割られ、股間を自由にまざくる手。半勃ちだった俺の息子は自分でも分かるくらい充血し始めた。

カチャカチャとベルトが外され、ズボンと下着を一気に膝まで下ろされる。

「ヒッ・・やめ・・」



抵抗の声は男の唇でふさがれ、またねっとりとした深い口付けを与えられる。勃ち上がった性器に手が直に触れると、他人に触れられる初めての感覚に体はこわばり、全神経がそこに集中する。

「うっ・・・さわん・・な、はな・・・せ・・」

女の子とHした時だって触らせたことはなかった。AVで見たような濃厚なHなどしたことはない。俺って淡白だし。

キスを与えながら男の手は、未知の快感に震える性器をしごき始める。裏筋をもむようにしてカリ首ぎりぎりまでしごき、蜜が光る小さな先端の穴を小指でクニクニほじくるように刺激すると、与えられた刺激にブルリと反応し口からはあえぎ声が漏れる。

「んっく・・あ・・」

「気持ちがいいのなら、イケばいい」

キスをしたままそんなことを言う男の言葉に、朦朧と快感の波にさらわれそうになっていた自分に意識が戻る。


(こんな・・・こんなやつに・・・イカされて・・たまる・・か・・・)



「っつ・・」

男が口を放し、かまれた舌に気をとられた瞬間、俺は頭突きを胸に食らわせた。とっさによけた男にやっと解放された体。いそいで下着とズボンを引き上げ、落ちていたカバンを引っつかみ、ドアを開けて門に向かって走った。



門の外まで出て後ろを振り返ると、ドアは閉まっていて追ってくる様子もないことに安堵したが、自分の姿を見るとまるで恥女にでも襲われたかのような格好だった。ズボンの中にだらりと出たシャツを入れ込み、ベルトを締めなおしたが・・・ボッコリ膨らんだままの自分のモノがさっきの異常な光景を思い出させる。


「はあ・・・・マジかよ。あいつホモか・・・キモイ、キモすぎる・・・」


なさけない前をカバンで隠し、早く下半身の暴走が治まってくれることを願い、家路を急いだ。





家に帰って風呂から上がると、携帯にメールが入っていた。開けてみると薫からだった。

『プリントありがとう。せっかく来てくれたのに寝てて気が付かなくてごめんね。明日は学校に行けそうだから。夕輝(ゆうき)に何かお礼しないとね』

よかった。明日は来れるんだな。そう思って返信をしようとした手が止まる。


・・・・ってか、あいつ、誰だ。



高槻家の玄関で俺に不埒な行いをしやがった変態。あの家の鍵を開けたってことは薫の家族か?

夕輝は携帯を閉じた。

返信はやめよう。今日はもう寝よう。かわいい女の子のことでも考えながら寝よう。

自分は切り替えが早いほうだと思う。だからあんな災難は忘れてしまおう。

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あきゅろす。
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