侵入 ※
「はあ、はあ・・・・はあぁ・・・」




こめかみに汗が流れる。縛られた手がチリチリと痛むのは、無理に腕を引っ張ったせいだろう。ビクビクと腰が小刻みに跳ね上がり、精液を搾り出すようにペニスも跳ねる。夕輝の腹の上は白濁がたまり、飛沫は胸にまでいきおいよく飛び散っていた。

赤く色づいた乳首の横に飛んだ精液を、仁が舐めて口に含み取る。

「・・・夕輝。お前最近SEXしたな。それとも自慰か?」



射精感に浸る夕輝は何故そんなことを聞かれるのか分からず、解放の余韻に浸りながらうつろな目で仁に視線を泳がせた。

「味が薄い。フッ・・俺にイカされた後、女とやって口直しでもしたつもりか?」

そんなことが言いたかったのか・・・畜生・・・・・・・・・・そうだよ。

まゆとのSEXは誘われての行為だったが、仁に変なことされたから気持ち悪くて彼女とやったとも言えなくは無かった。
「そうだよ」と言い返したかったが呼吸は落ち着いていないし、頭もまだボーっとしているし自分のことで精一杯だったし、やっとイケたこの快感に心も体も支配されそれどころではなかった。



「うつ伏せになれ」

仁の言葉も半分くらいしか頭に残らず、朦朧とした頭で言われたとおりに体を反転させるが、縛られた腕のおかげで思うように体をひっくり返せずにいた。手も足も膝をシーツにこすりつけながらようやく体を反転させると、うつ伏せになった耳元に息がかかる。


「ここは初めてのはずだな」


その言葉にハッして顔を上げようとしたとき、両足は大きく開かれ、その間に割り込んだ仁の手によって尻肉も左右に割られ秘所が曝け出された。

「・・・やはり小さいな。教えてやろうか、お前の穴がどんなだか」

「見たことないだろ」と告げる仁に「当たり前だ」と言い返す。

「膝を立てろ、四つん這いになって尻を突き出せ」
「!」

ピシャリと尻を叩かれ屈辱的な言葉に唇をかみ締めた。最低な男の前に、そんな場所を曝け出すなんて。

「どうした、ここまできて逃げ出すか」



逃げるだと・・・その言葉にカチンとくる。ケンカだろうと何だろうと売られたものは買ってきた。逃げれば負け。性格的に逃亡とか負けとか言う言葉が好きではない夕輝は、仁の言葉に持たなくてもいい対抗心を燃やす。

「誰が、てめぇ相手に逃げるか!」
「じゃあ言われたとおりにしろ」

なかば自暴自棄になって、腰を上げようとする。固定された腕は動かないので、足の膝をシーツにこすりつけながら踏ん張り、少しずつベッドの上にずり上がるようにしてなんとか腰を上げた。縛られた両腕の上に額をこすりつけて、尻を付き出すと、仁の手が足を更に大きく開かせ、あられもない場所を曝け出す自分に羞恥が襲う。

手で尻肉を割らずとも、大きく開かれた双丘の間には、薄ピンク色の小さなすぼまりが、外気にさらされヒクヒクと収縮を繰り返しているのが見える。

仁の手が尻に触れると、ビクッと体がこわばった。背後で何をしようとしているのかが見えない分、触れられるとよけいに体が大きく反応した。それを恐れていると思われたくなかったから余計に体に力を入れたが、それによって開かれた内股の筋腺がしなやかに引きつりプルプルと震える様が、男の欲を無情にも煽り立てる。

震える内股に指を這わせ、ゆっくり上を目指しなで上げる。奥の狭間に行き着いた手は穴の小じわの両側に人差し指と中指を当て、力を入れて左右に開くと抵抗するかのように穴は引き絞るが、わずかに見える穴の中心から紅い肉壁がのぞく。

「お前のは薄ピンク色で、肉ひだも花が咲いているようだ。ヒクヒク動いてるぞ、ほら」

そう言いながら、穴の周りのしわの部分をこすって伸ばし、ココを今からほぐしてやると楽しそうな声で言う。



「ヒッ・・・!」

ヌルッとしたものが後孔に触れ、それが舌だと分かり夕輝はのどの奥で声を上げた。
ほぐすと言っていたので指を突っ込まれるのだと思っていたのに、排泄器官であるところを舐めるなんて、想像を越えたあさましい事態に総毛立った。

ピチャペチャと唾液を穴につけられると、舐められている部分は生暖かいが、濡れた部分はすぐに冷えて後孔の周りが冷たく感じ、そこだけ感覚が鋭さを増す。
グルグルと小じわの上を巡っていた舌先の描く円が徐々に小さくなっていき、それはやがて穴の中心部で静止した。夕輝の穴の入口を捕らえた舌はその先を尖らせて、穴の中に楔を打ち込むようにして侵入した。


「う・・・・・っ・・・」


舌先が小さく暗い穴を開けて狭い内壁の入り口で抜き差しを開始する。しっとりと湿り気を帯び始めた穴は抜き差しのたびにチュプチュプと音が漏れ、卑猥な濡れ音が夕輝の耳さえも同時に犯す。羞恥に体はだんだんと赤く色づき、本人の意志とは関係なく艶かしさをその身に映し出し始めた。

ふと、穴を支配していた熱い舌が離れ仁がベッドから降りた。そして何かを持って再び戻って来て「やはりこれが必要だな」と独り言を俺の背中に投げかけた。



「ひぅ・・・・・・な・・」

何が冷たいものが穴に撫で付けられた。穴の周りに付けられたネチョとする何かはおそらく潤滑剤の類。その潤いを借りて仁の指が一本、柔肉の間にもぐりこんでくる。

「痛っ・・・・・・」

全く何も受け入れたことのない夕輝の後ろの孔は、異物を阻止しようとする自然な体の拒否反応が起こす収縮によって侵入する指をグッと押し返したが、仁はかまわず力ずくで押入れ第一関節までねじ込んだ。



「くっ・・・・・・・入れん・・・・・な・・」



初めて犯される恐怖に、たとえ指の先であろうとも我慢できず、拒絶の言葉が口をついて出た。

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