お子様って言うな!
朝目が覚めると、いつもと違う真っ白な天井が見える。



低血圧なので目覚めはいつもしばらくぼーっとして布団から出る。
今日もめをしばしばさせながら起きあがろうとすると体が思うように動かない。
起きあがろうにもお腹の辺りが重い。


?と思い思い物に触れてみると

「手、腕ぇ!」

そして顔を横に向けると自分を包み込むように鷹耶が隣で寝ていた。

「はい???」なんで??


びっくりして飛び起きようとしても、ガッチリとつかまれた体は動かせず、腕もほどけない。
耳元にかかる鷹兄の吐息にぞくぞくする物を感じ始めたとき、腰の辺りに置かれた手にいっそう力が入る。



「ああ、起きたのか」

声に驚き顔を動かすと、鷹耶がゆっくり目を開く。

精悍な顔が寝起きのためか少し穏やかに見える。
至近距離で見つめ合う。

む、、無理です。
この距離は。鷹兄、なんですかその色っぽい表情は。
僕はなぜこんな状態なのか、だれか教えて。
蛇に睨まれたカエルですか!動けない。動けんよ!金縛りってこんな感じですか。
え、じゃあこれって心霊体験ですか?それって貴重なたいけんだけど、したくね===

頭の中で意味不明な言葉を繰り返しながら固まった。
すると腰に当てられた手が動き僕の額にかかった前髪をなで上げた。


「伸びたな」

「ん?」

鷹兄の長い指が、僕の前髪を優しくすく。

ああ、髪か。
鷹耶はしばらく静の髪をすき、目尻や耳、顎などを指でなぞる。
不可解な行動にようやく口を開いてみた。

「あの、鷹に、鷹耶さん」

おっと、危ない。
呼び間違えるところだった。
今のはセーフだよね。

「あのさ」


静の話に返事もせずに相変わらず先ほどの行為を鷹耶は続ける。

「聞いてる?」



「ああ」

本当に聞いてるのか?
鷹耶の興味なさげな返事に僕も戸惑う。

「あのさ」



「・・・・」

無視ですか。
飽きもせずさわってくる鷹耶の手が唇に触れたとき静はビクッと体をふるわせた。

「っ、鷹耶さん!」

「なんだ」

鷹耶の手は唇に触れて止まる。
悪びれもせず問い返してくるので、こっちも負けていられない。

「あのですね〜」

不満げに眉を寄せて鷹耶を見てみる。

「なんで一緒に寝てんのかなって」


それが不可解きわまりないと目で訴えた。
ベッドなら隣のゲストルームにまだ2つもあることを昨日確認済みだ。
ベッド3つもあるから好きなところで寝ていいと言われたのを思い出す。


「話こんでいる間に、静が先に寝た」

うん?そうだっけ。

風呂からあがって、部屋の探検をして、鷹兄はカウンターからお酒出してまた飲み始めて、そして夜景見ながら、ベッドの上でごろごろしながらいろいろ話して、、、あ、そっか。


「僕、寝ちゃった?」

はい。そうです。
寝ました。たぶん。
記憶がありません。
学生も週末は疲れがたまっているんです。



「ふっ、お子様だからな」


なんですと!まだそれ言うか!!

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あきゅろす。
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