こんにちは風紀委員
「既成事実作っとけば、断れねぇだろと思って」
俺様何様バ会長様、司が放送室から戻ってきて最初に告げたのは、何とも腹立つ一言だった。
「なに事後承諾にしちゃってんだテメェ!! オッケーしてないっつーの!!」
「んだとコラ。俺様の決めたことに文句あんのか」
「あるに決まってんだろーがァァ!!」
俺、承諾してないよな?
俺、承諾してないよな!!?
もうやだ。何なのこいつ。さっき紫先輩が「君を庇ってるんだね」とか言ってたんだけど、あれ嘘じゃないの。自分のことしか考えてないんじゃないの。
「これで生徒会入りを拒否したりすれば、更に親衛隊から目付けられちゃうね」
とにかく撤回させようと頑張っていた俺に、何とも非情な言葉がのしかかる。
ソファから立ち上がって抗議していた俺が振り向けば、一人のんびりティータイムな紫先輩と目が合って、ニッコリと微笑まれる。え、味方ゼロ?
おい、本気で俺を生徒会に入れる気なのか二人とも……ていうか生徒会って何すんの?
なんて思っていたら、
「西園寺ィィ!!!」
ものっそい勢いで、生徒会室のドアがスパァン!と開いた。
「……今の放送は何だ?」
ドアの前には息を切らした、見知らぬ人が立っていた。
眼鏡越しの切れ長の目はつり上がってる。
普通にしてればクールな感じだと思う顔は、クール通り越して氷点下の真冬レベルに達している。
怖ぇえ!!! 瞳孔開いてるし!
ていうか、どちら様ですか?
「よっ桐生」
「珍しいね、君が生徒会室に来るなんて」
司が桐生、と呼んだその人は、ツカツカと生徒会室に入ってきて司のネクタイを掴んだ。
「いい加減にしろ西園寺。先ず、新しい役員を入れる際は生徒会顧問に話を通してからだ。職員会議と理事会にも提出し、書類上の手続きを踏んで初めて生徒会役員だ」
一気に捲し立てるその先輩を、司はバッサリと切る。
「悪ぃ、今決めたわ」
軽っ!!
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