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「改めまして自己紹介しておきます。私の名前は榛橋柚、よろしくお願いします」

ぺこりと頭を下げながら再び自己紹介する。家主なのに何故こんなに腰が低いかって?怖いからだよこの人達が!得にヤーさん!

「俺は伊達、」
「政宗様!本名で名乗るなど、」
「いーんだよ、小十郎。こいつに害はねぇ」

青い人、もとい伊達さんとヤーさんが何か言い合っているのを聞いてダラダラと冷や汗を流す。ヤーさん、あなた言っちゃってるからね、政宗って。ということはこの青い人は伊達政宗さんか。……んん?伊達政宗?なんか猛烈に聞き覚えが…気のせいか、うん気のせいだよね!受験勉強ばっかりで煮詰まっちゃってるんだよ私!…あぁ、そういえば勉強しなきゃなぁ。勉強時間減っちゃったよ。

「伊達藤次郎政宗だ」

名前なげーなオイ。そう言いそうになるのをなんとか堪えた。ヤーさんが不満そうな顔で私のこと見てるからね!

「片倉小十郎景綱」

いやだからほんと名前ながすぎでしょって!どれで呼べばいいの!?片倉さん!?小十郎さん!?それとも景綱さん!?…うん、片倉さんでいいよね。普通そこだよね。

「旦那も本名で名乗るなんて真似、」
「某真田源二郎幸村でござる!!」
「…はぁ」

うん、やっぱり長いね。わかりきってたことだけど。…あれ、今なんつった?真田源二郎幸村?真田、源二郎、幸村?真田源二郎?源次郎幸村?………あれ、

「真田幸村ぁぁァアあ!!?」
「な、なんでござるか!?」

いやいやいやいやまさかの真田幸村ですか!?いくら日本史世界史全般的に苦手な私でも真田幸村ぐらい知ってるよ!ってか真田幸村知らない日本人なんていないだろうね!なんか戦国時代のお偉いさん!あれ、じゃああれだ、伊達政宗もか!戦国大名的な!ああそうだ、思い出した伊達政宗!親藩だか譜代だか外様だか……うん忘れた。やっぱわかんない。あれだよね、なんか東北の人!真田幸村は強い人!南蛮も思い出してきた!野蛮みたいだな、とか思いながら覚えた記憶があるぞ。南蛮貿易だ南蛮貿易!たしか種子島に鉄砲が来てそのまま貿易に繋がったから、南蛮ってのはえっと、ポルトガルだったかな?

「榛橋殿?」
「あ、ごめんなさい。思考回路がぶっ飛んでました」
「え、それ大丈夫なの?」

真田幸村さんが不安げに私を見てきたからそれに返すと、変な人がうわ、なにこの子頭大丈夫?みたいな顔でみてきた。張っ倒してやろうかな。いやだめだ、返り討ちにあう。

「1つわかったことがあります」

えーと真田幸村は戦国時代の人で、戦国時代ってのは江戸時代の前。んで江戸時代は1603年からだっけ?なら、

「あなた方は多分400年ぐらい前の人です。あ、私日本史だめなんであんま詳しくわからないですけど」

驚くかな、適当なこと言ってんじゃねぇってぶちギレるかな、それとも笑って馬鹿にされるかな。内心ビクビクしながらみなさんの顔を見渡して呆気に取られる。あれま、なんか妙に普通の顔してますよこの人達。

「400年か…」
「…驚かないんですか?」
「今更何言われたって驚けねぇよ」

ガシガシ頭を掻きながら言う伊達政宗さんにぽかんとする。他の人達も大体そんなかんじだ。随分と順応性が高いようで。

「…話飛んだけど、俺様は猿飛佐助ね」
「へ、」

今度は苦笑いしながら言う変な人、もとい猿飛佐助さんにぽかんとする。え、さささささ猿飛佐助ぇぇええ!?にんにんにんじゃ●っとりくんじゃなくて!?猿飛猿飛ぇぇええ!?

「え、俺様そんなに有名人?」
「さささささ猿飛佐助っていえば忍者の代名詞みたいなもんですよ!忍者イコール猿飛佐助みたいな!伝説!レジェンド!」

うわぁぁああ感激だよおかあさああん!真田幸村よりも有名だよね猿飛佐助って!いや実際どっちが有名かは知らんけど!うちはサスケでも猿飛ヒルゼンでもアスマでもないよねこの人!ものほん猿飛佐助だぁあ!!

「…あれ、でも猿飛佐助って架空の人物じゃ…」
「え?」

思わず猿飛佐助様(もう様付けだよ様付け!)の手を握ってブンブン振ってたのを止めて猿飛佐助様の顔を凝視する。昔こんなフェイスペイントなんかあった?迷彩なんてあった?それに真田幸村さんの着てる、なんだあれ、ライダージャケット的な?そんなもんもなかったでしょうに。

「うー、なんだろう?パラレルワールドってやつ?」
「ぱられるわーるど?」

ひらがな発音可愛いですね!と猿飛佐助様に言いそうになるのをなんとか堪えた。





 

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あきゅろす。
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