「お前、いつになったらできんだ?」 練習が終わってみんなが帰った頃。流川が残って練習しているのに気づいた私はボーッとしながらその練習風景を見ていた。たまにドリンク渡したりタオル渡したりしてたけどね。なんせ私はマネージャーだし。 話し掛けられることはないと思ってたけど(流川はバスケ以外の時ほぼしゃべんないから)急に声を掛けられて(しかも饒舌)顔をあげる。 …いつになったらできんだっていうのは、「バスケは」と最初につけたものだろう。言葉足りないなおい! 「わかんない」 「?」 ダムダムボールをついてこっちを見ずに声を掛けてきた流川だったけど、私の答えに手を止めてこっちを向いた。 「今リハビリやってるって言ったじゃん?いつ終わるかわかんないの。数日後かもしれないし数年後かもしれないし…」 「酷い怪我だったのか?」 そりゃもう酷いのなんのって。左半身もってかれたからね、と続けそうになるのはなんとか堪えた。原因は、事故。それも車とトラックが衝突した。そんなことまで教える必要はない。 「うん。手術だって治る可能性すっごく低かったし」 むしろここまで治ったのが奇跡。バスケがまたやれるのなんて、奇跡なんだから。リハビリなんて、我慢できるよそれぐらい。 だからね、お兄ちゃん… 「?」 不意に頭に違和感を感じて見上げると、そこにはいつもの仏頂面の流川が…私の頭を撫でていた。 あんたそんなキャラだったのか。 「1on1、やんの待ってるから早く治せよ」 「っうん!」 Re [戻る] |