ドッペルゲンガー
「おっ」
「来たな」
「尻餅をつく人は沢山見てきたけど」
「スライディングする人ははじめてだ」
「大丈夫かい?」
「さあ顔を上げて」
「手を出して」
左右から同じ声が聞こえて来る。
うん?おかしいな、左右からってことは二人いるってはずなのに声は同じだ。
ってかここはどこだろう。ちゃんとに隠れ穴に着いたのだろうか。全然違うところだったらどうしよう。
そんなことを考えながらもその声に従って手を出すと、腕を掴まれとたんに襲う浮遊感。
「あ、ありがとうございま……」
愕 然
同じ顔が目の前に二つある。
これはもしかしなくても…
「ド、ドッペルゲンガー…?」
そう声を漏らすとドッペルゲンガーさんが両方とも固まった。そしてすぐにケラケラと笑い出す。
「相棒、どっちが本体だ?」
「それはもちろん俺だろ」
「いや、俺だろ」
「いやいやお嬢さん」
「俺達は」
「「一卵性双生児だ」」
「それより」
「やっぱり君は」
「「さすがリースさんの娘だ」」
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