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夏休みの宿題








「懐かしいわ、私もこの手紙がきたときすごくはしゃいだものよ」


母さんが泡立て器を持っている手を止め(魔法を使えばいいのに、母さんはいつも料理を自分の手で作る)、あたしに微笑みかけた。


「ね、母さん。ダイアゴン横町へいつ行くの?」

「明日から仕事が入ってて休みに入ったら隠れ穴に行くから…」

「隠れ穴に行くの!?」


隠れ穴はあたしが世界で一番好きな夫妻が住んでいるところだ。
物心がついてから会った回数は片手で数えるほどなのだが、とても優しく、暖かく接してくれたのを覚えている。また、幼い頃に何度も長男・ビルに会っていた。ビルはとてもかっこよく、頼れるお兄さん的存在だった。
隠れ穴、ウィーズリー家(全員赤毛で総勢九人の核家族)が住んでいる。ビルと次男は仕事で遠く(たしかエジプトとルーマニア)に住んでいるため七人がいる。
まだ隠れ穴に行ったことも七人兄弟に会ったこともないため、いつ行けるか、いつ会えるかとても楽しみにしていた。
ウィーズリー夫妻は母さんと古くからの友人らしい。


「ええ。たしか六男坊のロンも今年入学よ」

「そーなんだ!」

「隠れ穴に行ってそのまま漏れ鍋に泊まって…そうね、三十一日ってところかしら」

「よし、それまでに宿題終わらせるぞ!」

「あら、アンナったらばかね。ホグワーツに行くから宿題なんかやらなくていいのよ」




一つ、嬉しいことが増えた。









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あきゅろす。
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