リクセント・カナヅキ
リク、という言葉を聞いてあたしは止まった。
例外なく毎日必ず頭に浮かんでくる人物。
あたしの、兄だ。
本名はリクセント・カナヅキで愛称がリク。あたしの正真正銘血の繋がった兄。歳はウィーズリー家の長男、ビルと同じ。またグリフィンドール寮だったため二人は親友だ。そのためビルは長期休暇になるとよく私の家に来たし、兄さんもよくウィーズリー家に行っていた。それに兄さんは悪戯が大好きだったからこの双子の話をよくしてきた。良い人材だ、と。
最近は兄さんと全然会っていない。否、会えない。
ホグワーツを卒業してから、急に消えたから。音信不通がずっと続いている。
兄さんはあたしの自慢だった。かっこよくて、面白くて、賢くて、そしてとても優しい。本当に大好きだった。なのに、突然消えて。わけがわからなかった。
「何しけた面してんの?」
フレッドとジョージを見るとすごく申し訳なさそうな顔をしている。あたしに気を使っているのか。
「もうふっ切ってんだから、気にしないで。」
これは半分うそで、半分本当。
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