なんていうか、汚いね
「アンナ!」
「俺達の部屋に案内するよ」
「おいで!」
いつもより遥かに多くの量の食事を取ったため椅子にぐったりと座っていると、後ろから声をかけられ腕を引っ張られた。フレッドとジョージだ。
……明らかにおいで、じゃないよねコレ。強制だよね。
「アンナは私とお話するの!」
「いーや、ジニー」
「早い者勝ちだ」
「「さあ行こうかアンナ!」」
腕を両脇から組まれ、身動きができない。
双子はスキップをしながらあたしを引っ張る。あ、なんかミュージカルみたいで楽しいかも……って違う違う。
あたしはどちらかと言えばジニーとお話したいんだけどなぁ…。
「「ここさ!」」
「なんていうか…汚いね」
いつの間にか部屋につき扉の中に誘われると、色々なものがぐちゃぐちゃに四散されている。
悪いとは思ったがつい口に出てしまった。
「なんてことだ相棒!」
「こんなに素晴らしい物ばかりなのに!」「姫は汚いの一言で済ませてしまったぞ!」
「いや、姫って何さ」
「「もちろん君のことさアンナ!」」
嗚呼なんで気持ちが悪いほどに息がぴったりなのだろうか。
はぁ、とため息をつくとジョージ(多分)があたしの手を掴んで引っ張ってくれた。
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