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生命の危機を感じる料理








椅子に座るとおばさんが魔法で料理をテーブルへと移動させた。
右にはジニー、左には母さん。
三男、パーシーが階段から降りてきて軽く自己紹介をし終わると、やっと昼食が始まった。

いただきます、と言って一番そばにあったミートパイを取り食べる。


「わぁ!おいしい!」


感嘆の声を上げもう一口食べる。
母さんが恨めしそうにあたしを見た。ーそう、母さんは料理が下手なのだ。モリーおばさんは本も見ずにサッと作れるが、母さんは違う。本を見ずに杖を振っただけで作った物はとても食べられたものじゃない。食べたら生死の境をさ迷うといっても過言ではないだろう。生命の危機を感じる料理なのだ。毒薬が盛られているわけでもないのに。本にかぶりつき、魔法を使わないでやっと食べられる物ができる。そんな人の娘だから料理はできると思われがちだが、それは違う。あたしも驚くほど料理が下手だ。屋敷しもべ妖精がいなかったらどうなっていたか。考えたくもない。


「そう言ってもらえると嬉しいわ。リースは……昔からこれですからね」

「モリーったら!」


おばさんが苦笑しながら言うのにムッと突っ掛かる母さん。
そこにフレッド(多分)が身を乗り出した。


「リースさんってそんなに酷いのかい?俺、食べてみたいな」

「死ぬよ?」


その言葉にあたしはサッと青ざめて、フレッド(多分)を真剣な眼差しで見た。
変な気を起こさないでくれ、と。
言葉で納得したんだか表情で納得したんだかわからないが、フレッド(多分)は浮かせていた腰を下ろした。









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