自由奔放
「おばさん、お邪魔してます」
「久しぶりね、アンナ。いらっしゃい」
おばさんが優しそうな暖かい笑みを送ってくれる。あたしもそれにつられて微笑んだ。
おばあさんがキッと鋭い目をフレッドとジョージに向けた。あたしはその場からコソコソと離れる。
ふ、と視線をずらすとおばさんの後ろから一人の女性が歩いていた。母さんだ。
あたしは母さんに駆け寄る。
「母さん!ロクな説明も無しに急に行かないでよね!」
「ちゃんとこれたんだからいいじゃない」
「そうじゃなくて!娘が心配じゃないの!?」
「それよりアンナ、フレッドとジョージに気に入られたみたいね。さすが私の娘」
「話をそらすなぁぁぁ!!」
自由奔放過ぎるよ母さん…。
モリーおばさんに負けず劣らずの怒声…いや、さすがに負けるか…で母さんと言い合っていると(一方的だ)、階段から赤毛の男の子と女の子が降りてきた。
おそらく六男坊のロンと末っ子のジニーだろう。
ぱちっとジニーと目が合うと、あたしはニコッと微笑んだ。ジニーは顔を赤くしてはにかむ。
可愛すぎる……!妹に欲しい!
「あら、ロンにジニー。久しぶりね」
「こんにちは、おばさん。その子は…?」
ロンが母さんと握手を交わし、あたしの方をちらりと見た。
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