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お礼小説倉庫
ある意味絶景


目が覚めたら隣に君が居た。
そんな幸せすぎる幸せを噛み締めながら私はゆっくりと起き上がり大きく伸びをした。
うーん、よく眠れた、かな。1、2、3、4、と上半身を左右に捻って軽く体操をする。
外の景色を見ようと横を向けば、ベッドのすぐ横に備え付けられている出窓はカーテンが閉められたままだった。
膝をついて立ち上がってカーテンに手を伸ばす。
と、隣に居る君の動く気配がした。
振り返って見ると君はちょうど今目覚めたみたいで、まだ眠そうな目を擦りながら此処を見上げていた。

「おはよう、アレン」

笑顔を向ければおはようございますという挨拶とともに君は笑顔を返してくれる。
それにもう一度だけ笑顔を返して私はカーテンに再び手を伸ばした。

「…うわぁ」

差し込んできた太陽の陽射しと外の風景に感激の声が口からもれる。
太陽に照らされたその風景はまさに絶景だったのだ。何度も何度も見ている景色だがこの景色は見るたびに感動をもたらしてくれる。
私はアレンを振り返った。ねぇ、見て見てアレン、絶景だよとはしゃいだ声音で言えば彼は私を見上げながら、ええ、そうですね絶景ですねと言った。
にやりと笑った彼の表情に違和感を覚える。
そして気がついた。

「………」

朝目覚めたとき隣にアレンがいたということはつまりはそういうことで、この姿でこの体勢の私は確かにアレンの位置から見たら絶景なのかもしれない。
ああ、さっきまでの幸せ気分が全部台なしだ。
固めた拳を振り下ろしながらこのど変態っ、と、毒づいた。




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