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BBQ


次の日の海は生憎の曇り空で今にも雨が降り出しそうな天気だった。
じめじめとした空気が欝陶しい。いつ雨が降るかわからないので今日は砂浜にはいかないと決めた私たちは海辺の近くに借りたトレーラーハウスの室内にある椅子に腰掛けて顔を突き合わせていた。
中にはぼーっと窓から見える海を眺めている者、何をするわけでもなくつまらなそうにしている者、携帯を片手に煙草を吸っている者(ちなみにこれは私だ)などそれぞれやっていることは様々だったりする。
リナリーが言った。

「…外の天気は見ての通りだし、今日はどうしようかしら」

「んー」

灰皿に煙草の先端を押し付けながら私は曖昧な返事を返す。
どうしようって言ったってこの天気だし…。よし、送信、と。メールを送信し終えた私は顔を上げてリナリーを見た。
彼女は困ったような顔をしながら一同を見渡していた。
私は今朝聞いた今日の天気予報を思い出す。確か昼から夕方までは雨でしかし夜は晴れると言っていたような。
窓の外に見えるデッキをちらりと一瞥してから私は部屋の隅に置いてあるバーベキューセットを見た。
デッキなら例え雨が降っても屋根があるからバーベキューぐらいはできるだろうし予報では夜は晴れるって言ってるんだし…、うん、これがいい。
私はたった今考えついたアイディアを一同に告げた。

「ねぇ、思ったんだけどさ。今からバーベキューして夜は花火やらない?」

「お、それいいな」

すぐにラビの賛同が得られた。続いてリナリーが快く賛同してくれて、その隣にいた神田がめんどくさそうにしながらもいいんじゃねぇかと言う。
最後にアレンが小鳥ってさりげなく頭良いんですねと、この台詞には少しカチンときたがスルーすることに成功して、私たちはさっそくバーベキューの準備に取り掛かりはじめた。
そして数十分後。デッキに移動した私たちはじゅうじゅうと肉や野菜の焼ける音と香ばしい匂いに包まれていた。

「あ、私、肉担当ね」

割り箸を構えながら私は割り箸ゆ持っている手とは逆の手で挙手をする。
そして何も言わずに箸を伸ばすのだが、それはリナリーによって遮られた。

「駄目よ小鳥。いただきますを言ってからじゃないと」

「あ、だよね。いただきまーす」

私に続いて他のメンバーがいただきますの言葉を口にする。
それを合図にバーベキュー大会がはじまった。

「あ、この肉美味しいね」

「ええ、脂身がたくさんあって、…まるで小鳥みたいですね」


(…ぶっ飛ばすぞこの野郎)


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