雪。 私には外国人の友達が多い。 一人は中国人の女の子で、もう一人はどこの国かさっぱりわからないような顔立ちの赤毛の男の子。 唯一日本人の友達は馬鹿で性格が悪くておまけに男のくせにロン毛で、つまりは端から見たら変わり者の集団が私の友達なのだ。 だから、少しぐらい他と見た目が違う人には慣れているつもりでもあった。 でもそれは自分の勘違いだったのだと私は悟る。 そう、奴との出会いは私が十六歳の時、つまりは高校一年生の頃の、冬。 真っ白な雪が降っていたその日に真っ白な頭をして教壇の前に現れた同い年の少年に、私は思わず絶句したのだから。 「…なに、その頭。雪ぐらい払ってから教室に入りなさいよ」 悪気はなかった。その時は本気で髪が雪に覆われていると思ったのだ。 しかしそれは私の勘違いで、少年のその髪色は地毛であったらしい。 失礼極まりない私の台詞に白髪頭の少年は微笑みながらこう返してきた。 「…あなたこそ、その汚い色をした茶髪をどうにかしてから学校に来たらどうですか?」 正直似合ってませんよ。 後から付け足された言葉に私は本気でぶちギレた。 「てめぇ…、ちょっと表に出なよ!」 「上等です」 白髪頭の少年が微笑を浮かべながら応戦をする。 そうして私と奴との大喧嘩の幕が切って落とされた。 この時私は心の底から思ったのだ。 温厚な私だけどコイツとだけは絶対仲良くなれない、と。 20××年、1月23日の小鳥の日記より抜粋。 . [次へ#] |