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意のままに!
友達




「どんまーい」



「超、他人事だな!」



「まぁ、他人事だしな。」



手元の文庫本に視線を落としたままの友人、戸村巽を睨む。



「だから、金貸そうか。ていっただろ」



「だってまさか、次の日に服装検査あるなんて思わないもん」



「まぁ、確かに、な。ネクタイの行方も気になるしな。」



文庫本を閉じた巽が、何か考え込むような仕草をする。
しばらくして、視線を上げた巽が、じっと俺を見詰めてくる。



「……お前、何かされた?」



一瞬、キスと自慰の事が頭をよぎる。
瞬時に首を横に振った俺に、訝しげに眉を寄せた巽が、口を開こうとするのと、担任ががらりとドアをあけて入って来たのが同時だった。
慌てて体を前に戻す。
視線を背中にひしひしと浴びながら、俺は、必死で何時も通りに授業を受けた。






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あきゅろす。
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