[携帯モード] [URL送信]

意のままに!









どれぐらいキスしていたのか、顎を伝う唾液が冷たい。
解放されて、ぜーぜーと肩て息をする俺を抱える。



「僕はね、君が好きなの。まだ、熱いね、部屋に行こう。」



「く、つ」



「え?ああ、ごめん」



そう言うと、手も使わずに靴を脱いで、足を振って玄関に靴をやる。
ドアにぶつかって落ちた靴は、裏返しだ。



「僕も大概余裕ないな。」



自嘲気味に笑うと、委員長は俺の部屋に向かう。
階段を登る足が心なしか早い。
抱きかかえられたまま、俺はぼんやり、委員長を見上げていた。
それが俗に言うお姫様だっこだとか、
とりあえず今は関係ない。
さっきのセリフがぐるぐると頭の中を占領してる。


俺が好きで、
余裕がなくて、


それって、すごい事なんじゃないだろうか?
だって、あの、風紀委員長様だ。
微笑めば、女子が鼻血を出して卒倒する。
とか、全学年の女子を制覇して、今は人妻に凝っているとか、よからぬ噂も沢山聞いてる。
でも、それは、妬みが大概で、それって、うらやましいって事で…、




そんな人が、

俺を好きって、

余裕がないって言った。






[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!