意のままに! ◇ そもそもなんでこんな事になったかって言うと、昨日の体育中に俺のネクタイが紛失していた事から始まる。 その日のうちに買っておけばいいのに、生憎持ち合わせがたらず、明日でいいか。と、考えたのか、間違いだった。 今朝、ノーネクタイで登校した所、抜き打ちの服装検査を実施していたのだ。 比較的、校則が緩いうちの学校は、取りあえず制服を着ているかを調べる抜き打ち検査を行うのだ。 ネクタイは着用しているか、校則違反の柄Tシャツを着ていないか等の。 今日に限って風紀委員長様が校門に自ら立って検査をしている。 俺は思わず回れ右をした。 だって、罰則が面倒なのだ。 生徒会、風紀委員会の雑用を一週間。 昼休みも放課後も拘束されてしまう。 裏門へ向かおうと一歩踏み出した時だった。 ポンポン、 肩に、軽い衝撃二回。 背後から漂ってくる冷気はきっと気のせいだ。と、勇気を振り絞って振り返った俺を待ち受けていたのは、満面の笑みを浮かべた風紀委員長様だった。 女子からは歓声が上がったのに、笑いかけられた俺は白目を剥きかけてる。 この人、なんかこえー…。 [*前へ][次へ#] [戻る] |