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('A`)は明日もいきていくようです。
第二話(途中
125:◆Yqyp7Uc3Po
05/12(土) 11:18 opus7lv5O

第二話

―――朝、それは一日の始まり。
人は朝日を浴び、その日一日の活力とする。
カーテンを開け放ち、遮られていた光を全身に浴びて清々しい気分になるのだろう。


しかし、この物語の主人公となっている人物は朝という時間帯にあまり好感を持ってはいない。朝が来る事によってやる気を出す者もいれば、朝が来る事に不快感を感じる人間もいる。
ドクオは後者だった。

……朝はつまらない一日の始まり………


……誰が決めたか知らないが、動き出さなければいけない一日の始まり………






('A`)「はぁ……」

目が覚めて、一日の一番最初にする事は溜め息だ。
今日と言う日を始めてしまった、東の空から太陽を昇らせてしまった神への呆れと諦めにドクオは二度目の溜め息をつく。


126:◆Yqyp7Uc3Po
05/12(土) 11:21 opus7lv5O




窓から朝日が差し込んでいる。
昨晩は電気をつけずに起き、電気をつけずに寝たので個室の様子は全く把握していなかった。

白系統の壁は、ショボンに連れられて歩いたあの通路のような白。家具等は黒で統一されており、モダンな印象の部屋だった。

(;'A`)「良い部屋過ぎておちつけないだろ」

首を左右に動かしながら、ベッドから起き上がったドクオは小声で呟きながら着ている病人服のような物を脱いだ。

('A`)(そうか……)

改めて最近の自分の右腕事情を確認して鬱になる。
しかし、昨日ほどの落ち込みではなかった。もう何度目かの確認なので、よろしくない成績表を見直すような気分と大して変わらないのではないかと思えてきた位だ。
下着姿になったドクオは、ある問題に直面した。
('A`)「あ……」

ドクオが問題に気付き、声を上げるのと部屋の扉が開いたのは、ほぼ同時だった。

(//∀゚)ノ「うぉッス……」

(;'A`)「あ……」

朝の挨拶しに来たのか、起こしに来たのか……それとも両方しに来たのか定かでは無いが、スウェット姿のジョルジュとパンツ一丁のドクオはお互い、目が合って約一秒時が止まる。

(//∀゚)「……白昼堂々、新手の露出狂か?
それともノックせずに入った俺が覗き魔なのか?」

(;'A`)「いやぁ、両方違うと思います」

(//∀゚)「そうか! ならよかった!!………ってのはまぁ冗談だ。悪かったなノックせずに入っちまって」

('A`)「大丈夫ですよ。それより俺、服どうすりゃいいですか?」

(//∀゚)「おぉ、そうか!着替え無いもんな、ちょっと待ってろ」

ジョルジュは台詞が言い終わるとほぼ同時に扉を閉め、廊下に早めの足音を響かせどこかに行ってしまった。


130:◆Yqyp7Uc3Po
06/25(月) 01:38 zPKJM7Y/O

ジョルジュの残した足音がしなくなり、呆然とした表情になっていたドクオは、自分自身でも感じとることができる位にやる気ゼロのオーラを纏いながら、窓から射し込む日の光を見つめていた。
しかし、朝という時間はなかなか自由な時を刻めないものだ。
絶望的思考回路を脳内に張り巡らせ始めて、10秒もしない内にドクオの鼓膜にドアを蹴り破った音が届く。

ξ゚听)ノ「おはよ……」

('A`)「おはようござ……」

ドクオは数分前にジョルジュとの会話を振り返る。

(;'A`)「うわっ!ごめんなさいっ!!!」

パンツ姿でいる事を朝のやる気の無さで忘れていたドクオは、慌ててツンに背を向け、脱ぎ捨ててあった病人服を着ようした。

ξ゚听)ξ「あんたね〜、パンツ姿見せた位で謝ってんじゃないわよ。
こっちは風呂上がりで腰にパンツ巻いただけの放送コードギリギリのジョルジュを見てたりするんだから気にしないの!!」

(;'A`)「あ〜、はぁ…」

ξ゚听)ξ「それにね、プールとか行けば、下着姿と同じ位の面積しか隠れてない奴らが掃いて捨てる程いるんだからいちいち騒ぐんじゃないの!!」

(;'A`)「おっしゃる通りかと」

何故か分からないがツンに説教を受けながら、適度に相づちをうっていた。徐々にツンの口調と音量が暴走していく。

ξ#゚听)ξ「大体が最近の若いのはスカート短いクセにパンツ見られてギャーギャー言ってんじゃないっての!!そーゆー輩に限って水着は際どいの着てたりすんのよ!!」

(;'A`)(ヒートアップしてきたな。つか若いのって…ツンさんあなたはその「若いの」より大分年下ですよ?)

ξ#゚听)ξ「パンツ見せてケツ振れば男が寄ってくるとでも思ってんの!?そんなんで群がって来るのはロクなもんじゃない!!あー忌々しいし汚らわしい!!しかもそんなパンツ見て喜ぶ男も男よ!パンツ見たけりゃ下着屋でも行けっての!!わかってんの!?あぁ!!?」

(;'A`)(なんで最終的に怒られてんだ??おれ……)


131:◆Yqyp7Uc3Po
06/25(月) 02:34 zPKJM7Y/O

〜〜二時間後〜〜


ジョルジュとドクオは、最悪な結果のテストを家に持ち帰っている時の様な足取りと表情で白の通路を歩いていた。

('A`)「長かったですね……」

ドクオはジョルジュの方に顔を向ける事なく、絞り出すように呟いた。

(//∀゚)「ああ、泣きそうだったよ」

ジョルジュも同じく、少し何か諦めにも似た表情で、淡く蛍光灯が反射する純白の床を見つめて返事を返す。



あのあと、服を持ってきたジョルジュも巻き添えになり、パンツ姿についての注意から、話は跳躍し続けた挙げ句にドクオとジョルジュは何故か正座をさせられて一時間説教をくらい、朝食に呼びに来たしぃによって二人は一命を取り留めた。
だがツンは説教(及び日頃の不平不満、愚痴)をしてスッキリした訳では無く、逆に機嫌が悪くなってしまい、今日の訓練で暴れると公言して一足先に訓練室へと向かって行った。
しぃとギコも訓練室に向かったが、ジョルジュが後5分だけ精神的に休ませてくれと言ったので、ドクオも賛同して休憩を取り、被害者の二名は他のメンバーより少し遅れて訓練室へ向かっていると言うのが現在までの経緯だった。



('A`)「ところで……」

ドクオは思い出した様にジョルジュを見る。先程より少し声に力が戻っている事を感じさせる。

(//∀゚)「どした?」

ドクオの声の変化に気付いたのか、ジョルジュもドクオに顔を向ける。

('A`)「訓練って一体何やるんですか?内容を全然聞かされてないんで…」

(//∀゚)「ああ!そういえば教えてなかったな、っと」

ジョルジュは足を止める、まだ通路は終わって無く壁、床、天井が白く続く廊下の途中だ。

(//∀゚)「教えてやろーかと思ったけど着いちまったからな、入ってからのお楽しみだ」

壁に右手を押し付けながら、ジョルジュは笑った。


141:◆LotxnP5wDI
11/30(金) 13:12 g/74EBpnO

扉を開けて見えたモノは、複数のモニターと数えるのも嫌になる程のスイッチだった。
八畳程の大きさの部屋の中央には、半円状にコンピュータ、モニター、スイッチなどが設置されており、入り口正面の壁、半分ほどの大きさの窓の向こうにはツンとしぃが映し出されていた。

(//∀゚)「おー、やってるやってる」

窓と言うにはあまりに頑丈そうな作りのガラスの向こう側、体育館程の広さだろうか。その中央にツンとしぃは何日も前からそうしていたかの様に向かい合っていた。

(//∀゚)「よし!」

ジョルジュはスウェットの袖を捲ると部屋の中央にあるスイッチを2、3個押すと振り返った。その顔はドクオより年下のような幼さがあった。



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