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('A`)は明日もいきていくようです。
第一話
1:名無しさん
10/24(火) 23:26 MA4Uco59O

機械仕掛けになりたかった。
誰かの望み通りに生き、命令がなければ何もしない。そんな人間になりたかった。



 ('A`)はそんな事を考えながら、自分を作った人の運転する車に乗っていた。
 ('A`)(あぁ、この人は作り方を間違えたのかな。)
 頭の中でそんな意味の無い思考を巡らせながら、走る車の窓から曇った夜空を見つめていた‥‥‥‥





まるで生きていない、作り物のような眼で。


5:名無しさん
10/28(土) 02:35 VCkl9KsoO

 ('A`)は地元の高校に通っている18才である……
 彼は死を欲していた。と言うよりは、世の中に何の望みも持っていないと言ったほうが正しいだろうか‥‥‥‥
 ('A`)「‥‥‥‥」
 心の通わない瞳は車の窓から見える曇り空の方を向いていた。
 彼は大して見たくもない建物が視界に入り、車のスピードが落ちてくるのを感じると、スイッチを切っていた思考を起動させ、ため息を一つついた。そして思考とは逆に停止した乗り物から降りながら
 ('A`)「アリガトウ」
 と、感情も、色もない無機質な声で、自分の遺伝子の半分を提供してくれたであろう運転手に言い、歩き慣れた庭を、18年間住み続けている家の玄関へとむかった。
 扉の前へ立つと、これまた慣れた手つきで鍵を開け、後ろから来ていた母には目もくれず、何故か見たくないが心の落ち着く建物へと入っていった。


7:名無しさん
11/01(水) 03:20 BrAuJxXZO

 将来に対しての不安はあったが、別にいままでの人生で不満があったわけではない、何不自由なく暮らせてきた事は感謝している‥‥‥‥
 ('A`)は家に帰ってきてすぐ自室にこもった、自宅では食事以外では大体の時間は自分の部屋ですごす。落ち着く建物と言っても自室しか居場所がないような気がするからだ。
 窓をあけ、空気の入れ替えをした。
 ('A`)「うお!さむ!!」
 まだ9月だけど夜になると寒いなと思いながら、煙草に火をつけると、パソコンの電源を入れる。
 煙草の最初の一口を天井に向かって吹くと、素早くパソコンに何か打ち込んだ。そして数秒後には画面に、某大型掲示板サイトのトップページが表れていた。しばらく何もせず画面を見つめていたが、VIPと書かれた項目に入っていった。
VIPと言う項目に入るとすぐに、一番上にあるスレッドにスレタイを見ず入っていった。

 スレタイ『戦争スレ第6次』

1.名無し
前スレに引き続き、この国でおきている戦争について話し合いましょう。

 新しい書き込みに目を通しながら('A`)は、馬鹿が国を仕切るとロクな事になんないなと思った。
 ('A`)「早く肺癌にならないかな‥‥」
 とつぶやくと、足に落ちてしまった灰を払い、火を点けた時より半分は短くなった煙草を空き缶のなかに入れた‥‥‥‥





 この時は('A`)はまだ知らなかった。
自分の国で起こっている戦争に、身も心も機械仕掛けになっている者がいる事も、そしてインターネットで戦況を知るだけだった自分が戦地に放り出される事も……………。


9:名無しさん
11/04(土) 00:45 rr/et+zRO

 ('A`)はパソコンの電源を切ると、窓を閉めた。
 ('A`)「明日学校か、マンドクサ。」
 そうつぶやくと部屋の電気を消し、ベットに倒れこんだ。頭の中には、自分の国での戦争の事が巡っていた。
 ('A`)(戦争中なのに普通にネットができるし、学校にも行けるってどうなってんだよ。テレビでもニュースでしか情報流してないし……)

 実際、('A`)の考えは国民の半数が疑問に思っている事だった。
 半年前、国の最南端の半島が地図から消えた。それが開戦の合図なのかは知らないが「敵」は攻めてきた。南から徐々に北上してきていて、現在は国土の18%が「敵」に侵略されている。
 それがテレビが流している情報だった。
 相手の国も、規模もわからない、ただ北上している「敵」と呼ぶしかない相手に国民は疑問と恐怖を感じていた。


10:名無しさん
11/04(土) 01:03 rr/et+zRO

 ('A`)(大体18%ってのもかなり信用ならないな。でも実際、半年前に南の方に火柱があがったの見たって奴もネットにいたからな。)

 色々考えていたが、ため息を一つつくと
 ('A`)「ま、それもガセネタかもしれないし、死ねるんならなんでもいんだけどね。あー学校ダル。」
 と、わざわざ口に出さなくてもいいが結論をだした。
 そして欠伸をすると、枕元にある時計をみて、長針と短針が重なりそうなのを確認すると、瞼を閉じ思考回路を落とし、闇のなかへと吸い込まれるように眠りについた。


アシタハ、シネルノカナ・・・・・・


11:名無しさん
11/17(金) 23:05 N6YEYNqUO


 世の中は死ななくていい人が死に、死にたい奴はなかなか死なないモノ‥‥‥


 今日もつまらない学校が終わり、学校帰りに友達と夜になるまで遊んでいた。
 ('A`)「じゃそろそろ消えますゎ」

 友に別れを告げ毒男は帰宅の路へついた。この別れが友との永遠の別れになるとは知らずに。


13:名無しさん
11/17(金) 23:36 N6YEYNqUO

 ('A`)「ふー」

 吐く息が白くなっているのを大して気にもとめずに見ながら、自転車を進ませていた。
 自宅まではもうあと5分もかからないだろう。






 人生の転機ってのは、それが良いモノだろうと悪いモノであろうと突然来るもの‥‥‥‥‥




 その音と衝撃波は今までの人生で体験したことの無いほど凄まじく、始まりと終わりを知らせるには毒男にとって大きすぎた。



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あきゅろす。
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