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手の上でコロコロ
手の上でコロコロ6
「小唄、こっちにおいでよ」


擦れたエロボイスで俺を呼ぶ美丈夫。
こいつの名前は四之宮荘介(シノミヤ ソウスケ)。
隣町にある有名な不良高校でNo2なんて(ダサい)ものをやってるらしい。
言わずと知れた俺の玩具の一人である。

「やだ。荘介さんの隣なんていたらまたエッチなことされちゃうもん」

俺は怒った顔を作りながら、俺の腰を引き寄せようとした四之宮の手を叩いた。

「エッチなことされるの、嫌いなの?この前は喜んでたのに?」
「そんなことっ…///」
「ふふっ、かぁわいー」

四之宮は頬を染めて膨れる俺の姿にうっとりと舌なめずり。
おそらく、『この前』のことを思い出しているんだろう。

「もう…忘れるって約束したのに」
「あーんなにかわいかった小唄の姿、そう簡単には忘れられないよねぇ」

自分の指をフェラするようにねっとりと舐め上げる姿は、まさしく変態そのものだ。
きっと指を俺のアレに見立てて俺を恥ずかしがらせようとしているのだろうが、ごめんね、四之宮。
俺、破滅的に羞恥心ないから効かないわ、ソレ。笑

「あー…小唄の味が忘れられない。また食べたいなぁ」

破廉恥発言に俺はわざと泣きそうな顔をして『飲み物取ってくるっ』と、逃げるように四之宮から離れた。



「オレンジジュースとバラライカ」

バイトっぽいカウンターの中の人にドリンクを注文する。
ここは四之宮の学校の生徒御用達のカフェバーなので、客も従業員も堅気に見えないゴツイ人ばっかりだ。
俺は至って平凡な容姿をしているので、それはもう浮きまくりなのだが、四之宮が『この子は俺のオンナだから。ちょっかいかけたら殺すよ』と残忍な笑顔で釘を刺してくれたので、今のところ何のトラブルもなく馴染めている。
四之宮の部下?手下?達は奴に絶対服従なので、むしろ俺を『小唄姉さん』なんて爆笑ものの呼び名で呼んでちやほやしていたり。
とにかくオモシロツボ刺激されまくり空間なのだ。ここは。

「はい、お待ち」
「あ、お金…」
「いや、いいですよ。荘介さんのオンナから金取れないんで」
「…すいません」

カウンターの中の人に申し訳なさそうに頭を下げれば、にっこりとヤンキーにあるまじきかわいい笑顔。そこそこイケメンなのに、こんなにクシャって笑ったら台無しだ。笑顔が残念とかナニソレ面白い。笑

よし、こいつに決―めた。

俺は内心ニヤリと笑いつつ、『確信犯的に』お返しとばかりに最上級の笑顔で御礼を言ってドリンクを受け取った。
そのままそこで何回か言葉を交わして、『じゃあまたお話しましょうね』とウインクしてから振り返ろうとしたら、

「ぶっ」

誰かに抱きしめられた。
内心『キター』っとガッツポーズで上を見ると、予想通りそれはもう薄ら寒い笑顔の四之宮。

面白いことが起こる予感☆

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