変遷の戯言
人はどうして
変わってしまうのだろう。
変わらぬ君の声が
涙に濡れる。
同じ場所で
見ていた景色を
今は見れず。
見下ろす視線が
ただ痛い
凍てつく哀しみに
彼の日の君の姿が
霞んで消える。
そんな現実。
記憶が囁く
嘗ての楽園に囚われ
変わらぬ思いが
今を悲劇に染め上げる。
彼の日が遠ざかる現実に
笑い合った筈の
君の笑顔はもう此処に無い。
同じ場所で
過ごした筈の景色が
塗り替わる。
歩んだ道は
道でしかない筈なのに
優劣に彩られる世界が
温かな過去を
奪っていく。
同じ目線で
見ていた筈の関係は
今は遠くて
見下ろす視線と溜め息に
息苦しい世界は
ただ生き苦しいだけ
流した涙を
拭いてくれた君は
もう何処にもいない。
笑うのに
必要無かった筈の
息苦しい仮面は
今はもう手放せず
在った筈の過去が
締め付ける現実に
咽び笑う。
今、此処にいる
嘗て笑い合った者達が
誰だか分からない。
09/08/15
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