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離散の独白



気がついたら
溜まっていた
重く苦しい
悲痛に泣く想い
溢した声は
冷たい風に消えていく。

他者を拒んで
強さを求めた
幼き見栄
一人表情に出さずに
必死に足掻き続けた
それが唯の強がりに堕ちる


見渡して見れば
其処に何もなく
独り立つ躯が一つ
泣いている
周りに咲いていた
花は朽果て消えていた


忘れたい
何度も望んで消える
忘れたくない過去
刻まれた傷は
痛みを呼び起こし
取り巻く全てを
疑い拒んでいく


いつの間にか
染み付いた
愛想笑いを浮かべ
季節を巡る
得られる空虚に
胸を抉る渦は
澄んだ滴を弾いて
濁った湖を造り出す。

周囲の綺麗に
醜さを噛み締め
足りない事に
嫌悪を重ねる日々

見渡して見れば
此処にも何もなく
独り立つ躯が一つ
意味もなく
周りで咲いていた
花に笑みを撒き続ける


救われたい
許されない望みに
希望と絶望を寄せ
分かっていた
夢を失くした現実に
取り残された
空の躯を抱く


受け容れた
哀しみで躯を満たし
咲いていた花達と
戯れた刻に
想い馳せ
愛想笑いを浮かべ
独り今を見詰め続ける。




2009/06/03

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