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 君が好きだった。

 本当に本当に好きだった。

 いなくなった今でも好きだよ。
 悲しくなっても、寂しくなっても、辛くなっても、泣きたくなっても…。

 好きだよ。

 伝えたくても伝えられない。
 言葉にしても届かない。

 後悔先に立たずって本当だね。

 それでも君が笑ってくれるから、僕は言い続けるよ。


“君が好き”


 遅いとか悪口言われるかな?
 それでも良いんだ。
 だって…。

 本当に本当に好きで、君がいなくなっても、好きで、いつまでも想い続けるから。


 ごめんね。あの時言えなくて。

 君はなんて答えるんだろ?

 僕が好きって言ったら。好きって言えるようになった僕を見たら。


“好きだよ”


 また言ってくれるかな?
 だったら良いな。
 すごくすごく良いな。
 だって、君がすごく好きだから。
 君と過ごした時間も過ごしたひだまりも…君との何もかもが好きだから。


 どれ一つ忘れられない宝物だから。



 僕一つだけ決めたことがあるんだ。

 それはね。
 いつになるか分からないんだけど…。
 もし、僕が死んでまた君に会えたら。


“僕も好きだよ”


 君にちゃんと言おうって。
 君は何て言うか分からないし、もしかしたら僕のことなんか忘れてるかもしれないけど…。

 それでも良いんだ。


“君が好き”


 だから、伝えたいんだ。自分の口で自分の素直な本当の気持ちを。あの日君に言えなかった本当の答えを。


“好きだよ”


 君はまた言ってくれるかな?

 そうだと良いな。すっごく、すっごく嬉しいと思うんだ。

 だから。

 待ってて。絶対言いにいくから。

 約束だよ。



 約束したから、今はとりあえずここで。
 君がいたひだまりの中で。
 君と一緒に眠るよ。
 いつか本当に君に逢える日を思って。


 おやすみなさい。


――END――


此れは二匹の猫の物語。


2009/05/20




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