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君は一言も話さないね。
笑いかけて一緒に眠ってくれるだけ。
もういないんだから仕方ないとは思うけど…
やっぱりちょっと寂しくて悲しくて…泣きたくなるよ。
でも、君は温かくて、いつの間にかそんなことも忘れて眠ってしまうんだ。
起きたら君はいなくて、ひだまりもなくなっていて…
薄暗い闇が辺りを黒く染めていて。
泣いてしまう。
泣いたってしょうがないのにね。
君は戻ってはこないんだから。
わかってる。
わかってるけど。
それでも泣いてしまうんだ。
僕は寂しがりやで泣き虫だから。
あの日君は言ったね。
“好きだよ”
僕はそれが恥ずかしくて、とても恥ずかしくて、馬鹿にするような冷たいことしか言えなかった。
本当は、
“好き”
言いたかったけど、結局言えなかった。
たった一言がすごく気恥ずかしくて、難しくて、言えなかったんだ。
君はちゃんと言ったのにね。
でも君は笑ってくれたね。
分かってたのかな?
だったら良いな。
けど自分の口でちゃんと言いたかったよ。
もう出来なくて、それを思うとやっぱり泣いてしまうよ。
泣き虫…なのかな。
泣き虫…なんだね。
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