6
女の子の前には真っ黒な影がありました。
影は女の子に話しかけました。
女の子は気付きました。
眠っていたようです。
女の子は泣きました。
目の前が真っ黒で、やはり空がなかったからです。
『お、おい。どうしたんだよ』
影は驚いて声を上げました。
女の子が目覚めたかと思えば泣き始めたからです。
眠っていた時から涙は流していましたが、今の涙はその比ではありませんでした。
『お、おいー…』
影は困り果てました。
女の子は泣き止む様子がありません。
どうしたらいいかもわかりません。
影は考えました。
一生懸命考えました。
そして。
影も泣きました。
もうわけがわかりませんでした。
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