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停止の戯言



吹きすさぶ
死滅を促す
終わりの風
此の身は疲れ
歩みを止めれば
眠りに堕ちる。


夢に描いた景色が
遠ざかり
伸ばした手が
宙を掻く


流れる時が導く
別離の中で
変わり行く人々
過去は過去でしかなく
止まった儘の
此の身は
耐え難い温度差に
再会を嫌う


凍りついた大地で
独り立つ君は
移り変わる季節を
遠くで見詰め
哭いていた
全てが死に行く
それだけを感じ
一つ
また一つ
何かを失くしていく。


捨てきれない
思いに泣いて
捨てた
何もかも

強がる君は
強くなく
今にも潰れそうな
か細い身体を抱いて
必死に笑った。


凍りついた大地で
独り笑む君は
移り変わる季節を
遠くで見詰め
哭いていた
全てが離れていく
それだけを噛み締め
また一つ
何かを失くしていく。



吹きすさぶ風が
痛みさえ麻痺させ
喪失が
哀しみさえ失くさせる

そんな虚無を望む


用意された
砂粒が全て流れ堕ちる
その日まで

ずっと…


精一杯笑い続ける。




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