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彼の日の囁き



風が凪いで
知らぬ間に
伸びたていた
髪を揺らす
振り返り見た
街並みは
何かが違って
脳裏に瞬くのは
顧みた景色

不意に溢れた
心の雫
風に舞い
彼の街へ。


『還りたい?』


自分で撰び
自分で示した
道の途中
繰り返される

彼の日を望む
自問自答。


『過ぎ去ったモノよ』


光が溢れる
懐かしい景色


『もう戻らない』


辿り着いた
望んだ筈の景色が
首を絞める
何かを願って
全てを捨てた
その果ての景色に
絶望が込み上げる
此が現実?



温かい光に包まれた
彼の日が微笑み
涙を誘う。
独りの夕暮れ。


『何を望んだの?』


望んだ世界は
所詮は現実の欠片
非情な刃は
何度も突き刺し
痛みを刻みつける。

還りたい
何度も思って
言葉を飲み込んだ。
戻らない
分かっているから
諦めれない
矛盾の現実が苦しめる


『貴方は何処に居るの?』


いつか
この今が
彼の日に変わって
笑い飛ばす

そんな
いつかが
やってくるんだろ

笑い合えた日
泣き続けた日

永遠じゃない
そんな現実


『貴方は今此処にいる、唯それだけ』




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