不要を仰ぐ戯言
世界を覆う
彩り失くした灰の雪
降り積もって
流さなくていい
涙に濡れた
頬に触れるのは
失色の現実
褪めた世界に
訪れた春は
やはり色を失くし
望みさえ失くして
唯生きるだけの
人々が行き交う
廃れた横断歩道
コンクリートの街
失くさなくていい
夢に瞳を閉じるしかない
何もない世界に
降るのは灰の雨
何かをしようと
瞳を開いた
何かさえ出来ない
世界が其処に在って
泣き出した
降り注ぐ雨が止み
空に架かる虹さえ
彩り失くして
消えていく
聞きたくない雑音に
耳を塞いでも
その言葉は
何度も心を削る
見たくない汚物に
瞼を下ろしても
その汚染は
何度も心を染める
知りたくない絶望に
心を閉じても
その現実は
何度も涙を流させた
枯れ行くだけの
壊れた心
なのに涙は枯れずに
いつまでも流れ落ちる
堕ちてゆく
自分の中の何かを
引き留めることさえ
させてくれない
壊れた現実に
積もり続ける
暗い何かを
吐き出すことさえ
できない
もどかしい
自分の中の何か
救いの雨は降らず
上がることさえない
虹はいつまでも見えず
世界は唯褪せていく
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