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東方二次創作小説
世話係
「今日は何の用だろ…」
罪袋はいつもの用に紫に呼ばれて白玉楼へ向かう

「来たわね」
「こんにちは紫様」
「あら、罪袋さんいらっしゃい」
幽々子が寝起きだろうか、欠伸をしながら挨拶をする
「こんにちは幽々子様、今日も美しいですね」
「ふふ、ありがとう、って紫もしかして今日来るのって罪袋さんだったの?」
何の事か分かっていない罪袋に紫が答えた
「今日は妖夢が用事で出かけてるらしいの、そこであなたの出番ってわけ」
「という事は今日一日幽々子様のお世話を自分が?」
「そう、ちなみにあなたの家の白沢と白狼天狗には許可を貰ってあるわ」
「私のお世話、嫌かしら」
幽々子は少し悲しそうな目で罪袋を見つめる
「是非、お世話されていただきます」
「「…あなたが世話するのよ」」
罪袋の本音に紫と幽々子が突っ込みを入れる

「とりあえず朝食を作ってもらえるかしら」
幽々子は早速罪袋に仕事を告げる
「…もう昼なんですが」
ちなみに紫は『霊夢とイチャイチャしてくる』と言ってスキマで博麗神社へと向かった
「じゃあ二人分作ってもらえる?」
「分かりました」

「幽々子様、どうぞ」
罪袋は皿に大量に盛りつけた料理を幽々子の前に置いた「ありがとう、いただくわね」
(しかし、紫様も早い内から言っていただけたら良かったのに…)
「おかわり」
幽々子の声に罪袋は驚いて幽々子の方を見た
「も、もう食べたんですか…?」
幽々子の目の前の皿にはすでに山のような料理はなく、綺麗に平らげられていた
「少しお待ち下さい」
罪袋は事前に紫から『幽々子に食事を出すときは10人前くらい用意しておきなさい』と言われていたのでどうにかその場はなんとかなった

幽々子は10人前の食事をすべて平らげた後
「じゃあ私は寝るから後は適当にくつろいでいて頂戴」
「はい、用があればいつでも呼んでください」
許可は貰ったのはいいが、する事がない
屋敷内はすでに掃除は終わっていて庭も綺麗に手入れされていた
「妖夢さんがやっておいてくれたのか…あれ?」
罪袋が気づいたのは屋敷の外からこちらを顔を覗かせている人影だった
「…妖夢さん?」

「どうもありがとうございます罪袋さん」
聞くと妖夢は急に幽々子が心配になり一旦白玉楼に戻ってきたと言う
でも罪袋さんがいてくれて安心しました、と妖夢はとても落ち着いた表情で罪袋に言った
「いえいえ、困った時はお互い様です」妖夢は少し罪袋と話した後、用事を済ませに急いで出かけていった

罪袋が夕食の支度をしていると
「おいしそうな香りね」
紫が後ろからスキマから顔を覗かせて言った
「おかえりなさい紫様、今日はいかがでした」
「ええ、今日は疲れたわ」
紫の話によると、霊夢の所に行ったはいいが紅魔館の主、レミリアと鉢合わせになりそのまま霊夢争奪戦の段幕勝負となったらしい
「それでどっちが勝ったんですか?」
「引き分け、霊夢が止めに来てどっちもこっぴどく叱られたわ」
「それはそうよ、霊夢の神社で暴れるからよ」
いつの間にか幽々子が起きて調理場に来ていた
「おはよう幽々子、寝すぎるとお肌に悪いわよ」
「…あなたには言われたくなかったわ」
「幽々子様、もう少しで出来上がりますのでお待ち下さい」

妖夢も用事を済ませ、罪袋と帰り道に鉢合わせになった
「罪袋さん、今日はありがとうございました」
妖夢は深々と礼をした
「またお礼に伺います」
と妖夢は言って帰っていった

「今日はどうだった?」
紫が罪袋に訊ねる
「少し大変でしたが、楽しかったです」
「そう、良かったわ」

数日後、妖夢と幽々子が罪袋の家に訪れたのはまた別の話

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あきゅろす。
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