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もう茶も冷め、座っている木製の椅子が温かく感じるほどになっていた。

大人げないとは思ったが、生憎自分の気が長くないのは自覚している。
では、何故宗次郎の話を聞くことにしたのか。
それは自分の考えが浅はかだったから。まさかこいつがこんなに頑固な奴だとは思わなかった。
いつも掃除、洗濯、使いっぱしりと一通り言われたとおりにこなす素直な少年だとばかり思っていたが、この分だと自分を上回るのではないか。

あるいは、自分では役不足なのか。

信頼されていないのか。

「土方さんは兄弟がたくさんいらっしゃいますよね?」

「ぁあ?何だよ突然」

何の脈絡もないことを突然聞かれ、反応に困る。
このまま話を逸らすつもりなのかもしれない。

「もし、土方さんがご兄弟に頼みごとをして断られたらどんな気持ちになります?」

全く意図が見えてこないが、それを聞いてきた宗次郎の顔が真剣そのもので答えにくい。

何故そんなことを聞く?

そんなことを知ってどうする?

俺の意見など参考になるのか、いや、誰でも同じ答えを出すに違いない。

「ムカつく」

「……やっぱり?」

「てか、誰でもそう思うだろ」

「若先生も?」

「そりゃあ……あっ!」

そう言うことか。
自分の失敗のことではなく、勝っちゃんの気持ちを思って落ち込んでいたわけだ。





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あきゅろす。
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