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流星の導き
夢の双子
side 月子


夢をみていた。小学校低学年の頃の私と錫也と哉太と遊んでる夢。でも、3人じゃない。あと2人。双子の兄妹もいる。


「月子ちゃんは大きくなったらなにになりたいの?」
「およめさんっ!雪菜ちゃんは?」
「わたしはねー、うちゅうひこうしっ!あのねっ、わたし、うちゅうにいってみたいのっ!おおきーなうちゅうにっ!それでねっ、うちゅうじんとなかよくなるのっ!」


そう、妹の名前は雪菜ちゃん。雪菜ちゃんは両手をブンブン振りながら、将来の夢を話している。


「おい、雪菜。うちゅうひこうしは、あたまがよくないとなれないんだぞー。それと、むしばがあっちゃいけないんだ。」
「えー!?むしば…ダメなの…?ゆう兄…」


雪菜ちゃんは兄の発言にショックを受けたのか、目をウルウルさせている。そう、兄の名前は確か…ゆう…悠兎くんだ。


「だいじょうぶだよ。ちゃんとまいにち は をみがけばいいんだ。雪菜はきっとうちゅうひこうしになれるよ。」


それをすかさずフォローする錫也。


「むしばなんかやっつけちゃえばいいんだっ!」
「あれー?雪菜ちゃんはおよめさんにはならないの?」
「雪菜はドジだからだれももらってくれないよ。」
「ゆう兄ひどいよー!わたしだってけっこんできるもんっ!」
「雪菜はおれのおよめさんになればいいよ。」
「おい、錫也。やめたほうがいいよ。たいへんだよ?」
「ゆう兄ーーーっ」


笑い声がだんだんと遠ざかっていく。待ってよ。もうちょっとみていたい。懐かしい2人の姿を。


しかし、完全に声が聞こえなくなり辺りは闇に包まれる。


***
「…という様な夢をみたの。ね?懐かしいでしょ?」
「本当だな。あの2人、何も言わずに転校しちゃったからなー。久しぶりに会いたいな。」


朝、寮まで迎えに来てくれた錫也と哉太と羊くんに今日みた夢の話をする。2人とも双子ちゃんの事を覚えていた様で暫く昔話に花が咲いていた。羊くんは横で話に入れなくて少し拗ねながらも話をちゃんと聞いている。すると、羊くんが、あ、と声をあげる。


「どうしたの?」
「そういえば、今日だったよね?うちのクラスに転校生が2人来るのって。」


ね、早く行こうよっ!と私の手を引っ張って走り出す。


…そんなに嫌だったのかな…昔話が…


***
チャイムが鳴り、陽日先生と水嶋先生が入って来て朝礼が始まる。


「皆、おはようっ!元気かー?オレは元気だぞー!「早く転校生紹介したらどうです?」…水嶋ぁ、朝の挨拶は大事なんだぞー?「陽日先生のは長いんです」わかったわかった。」


そして、口を一回閉じて、ごほんと咳払いをする。そして、にかっと笑う。


「うちのクラスに転校生が来たぞ!しかもなんと、双子だっ!男子と女子一人ずつだ!…おし、入っていいぞぉ!」


女子と聞いて、クラス中がおぉ、となる。そしてドアが開いて入ってきたのは茶色の髪の毛の双子。


「んじゃ、自己紹介してなー。」


2人が教卓の前に立つ。男の子が口を開く。


「雨宮悠兎です。イタリアから来ました。こっちは、双子の妹の雨宮 雪菜です。」
「よっ…よろしくお願いしますっ…っいたっ!」


妹の方はお辞儀をした時に勢いをつけ過ぎて頭を教卓にぶつけてしまったらしい。…痛そう…ってそんなことはどうでも良くてっ!!


「もしかして…雪菜ちゃん…?」


私が声をかけると、雪菜ちゃんはこっちを向く。


「…え…?あれ…月子ちゃん…?」


久しぶりっと私は雪菜ちゃんに飛びつく。錫也と哉太も悠兎君に近づいていって再開を喜んでいる。


ターゲットに接触成功


そんな事を考えている2人には気がつかずに。


(錫也くんはカッコ良くなったね?)
(雪菜だって、見違えたよ。)
(おい、こら錫也。雪菜を口説くな)
(先に言ったのは雪菜だよ。)
(そ れ で も だ)

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あきゅろす。
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