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あめ色の日々
02


邪魔者も失せたし、俺は再び自分の世界に入ろうとしたが非常に残念なことにそうはいかなかった。
まあそろそろ時間が押してきているのもあるが、第一の理由は突然背後に人の気配がしたからだった。



「へぇー言うねぇ、森川君?」


「こうでも言わないと奴ら無制限に絡んでくるんですよ、小牧教官。」



毎回毎回事あるごとに俺の背後に立って現れるこいつ…じゃなくってこの方、小牧教官。

小牧教官は俺の斑の指導担当で、春に入隊してからずっとお世話になっていたりする。

しかしまあ…


「…いつも思うのですがなぜ自分に構うのですか?」



言外にほっとけ、という意味を含めるのも忘れずに話しかける。



「そりゃあ構いたくもなるよー?図書館隊に最年少の15歳で入隊、選択格闘技は小学校に上がる前から続けている剣道で、もはやその辺の大人じゃ相手にならないくらいハイレベル。あとはー」

「ちょ、ちょっと待ってください!!どこからそんな情報が漏れ出してるんですか!?」



これくらい少し調べれば簡単に分かるよ、と笑顔で言いのける小牧教官。
こここ怖い。

冷や汗を流しながら小牧教官から目線をそらす。



「ほらほら、君たち座ってないで移動開始!楽しいハイポートが始まるよ〜!!」



どうやら堂上教官の斑はハイポートを終えたらしく、撤収準備をしている。
それを見て俺は木陰にまとめて置いてある六十四式子銃を手に取り、小走りでスタート地点についた。
他の奴らも嫌そうな顔をしつつもようやく動き始めたようだ。


それを見やりながら軽くストレッチをしていると、背後にまた気配。
小牧教官だ。



「ねえ、森川君。今日は何位目指す?」


「そうですね…まあとりあえず」


「とりあえず?」



なかなか口を開こうとしない俺に、小牧教官は優しく先を促す。



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