[携帯モード] [URL送信]

戸田北合宿物語
ページ:5
しかし空をきったかに思えた手はすぐに元希さんにつかまった。
掴まれた手首の強さに思わず声をあげそうになったがすぐにその力は弱められ、その気があれば簡単にふりほどけそうなほどの加減になった。

拘束したいのかそうでないのか。
逃がすつもりなのかそうでないのか。
この人はいったいぜんたい何をしたいんだ?って疑問がこんな状態におかれていてもオレの頭は意外と冷静なことを考えていた。
わからないことは聞きたい、でもそれを聞いたら何だかおわりのような気がしてなかなか言い出せない。

しかし両手をかるく拘束された状態で元希さんがオレの身体の上に乗っかってるようなこんな体勢はストレッチでもめったにしない図といえた。

しかも元希さんの息が心なしか先ほどよりも上がってきているようにも思えて何だかこのままゆくととんでもない事態に陥りそうな気配すら感じてしまう。

嫌がらせの延長のようなお遊びはもうやめてもらわないと、こっちまでわけのわからない熱に巻き込まれそうだ…と思ったときだった。

オレの首筋に埋めていた顔を少しだけ離し、上からオレの顔をじっと覗き込むように元希さんが小声で言った。

「…なぁ、何で抵抗しねーの、お前?」


→まだまだ続いてしまう
(2009/0718UP)

[*前へ][次へ#]

5/9ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!